だから嫌なんです…
接客ロールプレイングはトレーニングには最適です。
お客様を練習台にすることなく新しい提案を学んだり、新人販売員でもできないことを知り本番の接客に活かすことができます。しっかり活用さえできれば、こんなにリアルに学べる方法は他にはありません。
ただやり方をひとつ間違ってしまうと、途端に誰もが『やりたくない』トレーニングへと劣化してしまいます。
それが、”ダメ探し”のロールプレイングです。
接客ロールプレイングは基本的にやって終わりではありませんよね。必ず終わった後にふり返り(フィードバック)を行ないます。ふり返りができていないと、ただやったことに満足してしまってほとんど意味がなくなります。
問題はそのふり返りのやり方です。
私がこれまでに見てきたロールプレイングのほとんどは、できていなかったところ、ダメだったところをとにかく指摘していくふり返りがされていました。
『今のはこう言わないから売れないんだよ』
『そんな動きをしていたらダメだよ、こうしなきゃ』
こんな、いわばダメ出しをされてしまった経験のある方は多いのはないでしょうか?
そしてこういうふり返りをやっているお店のスタッフの方にロールプレイングをやろうとすると、確実に嫌な顔をされます。
『またあのダメ出しをされるのか…』と憂鬱な気分になってしまうんです。
ダメ出しではないふり返りをしよう
では具体的にどんなふり返りをすればいいんでしょうか?
答えは簡単、見方を変えればいいんです。
接客ロールプレイングをやっているとき、ふり返りをする人は普段こんな部分を見ています。
・良かったところ
・悪かったところ
ほとんどがコレです。
今やったロールプレイングの良かったところと悪かったところを伝えるために、それぞれを見ているんですね。
ですがコレだとどうしても”悪い部分”に目がいってしまいます。
なぜなら、人の欠点を探すのは簡単だからです。
自分の相性に合わない、やり方に合わないものは簡単に目につきます。だから見つけやすい悪い部分ばかりが膨らんでしまって、どんどんダメ出しのふり返りになっていくわけです。
だから見方を変えます。それはこんな感じです。
・良かったところ
・こうすればもっと良くなるところ
「何が違うの?」と思いましたか?全然違います。
良かったところはまったく同じですよね。接客ロールプレイングを通して、「ここは良かったね」というポイントを伝えてあげればそれでOKです。
問題はその次。
さきほどは悪かったところを伝えていました。その結果どうなるかは上記したとおりです。
その見方を『こうすればもっと良くなるよ』という見方にしてしまうんです。
『○○の部分を○○に言い換えるともっと良くなると思うよ』
『あそこの動きをこんな動きにするともっと良くなると思うよ』
受け取る側の気持ちを考えよう
文章で書いた感じだと伝わりにくいかもしれません。
実際にふり返りをしている側からも、何が違うのか?と感じるかもしれませんね。
ただ受け取る側の気持ちはさきほどまでとは全く違ってきます。
最初のやり方では、とにかく『ダメ』『悪い』と指摘をされていました。これでは、いくら頑張っても認めてもらっているように感じられず叱責を受けているような気分になってしまいます。
そんな状態でモチベーションが上がる人なんてごくごく稀な存在ですし、決して良い気分はしません。要は人の話を聞く気がしなくなってしまうんです。
それを『こうすれば良くなると思うよ』と伝えられると受け取り方が変わります。
きちんと自分のやったことを認めてもらえている気分になりますし、さらに良くするためにしっかり意見を受け止めるようになっていきます。
ふり返りはただ伝えるだけではなくて、受け取った相手がどう活かせるかが重要なんです。
ほんの少しの違いだけですが、この違いが売れる販売員を生むかどうかの違いになっていきます。
ぜひこういうふり返りができる接客ロールプレイングをやっていきましょう。