売上を上げる販売員は、必ずしも選択肢を絞らない!

まとめてオススメすることも

お客様に商品のおすすめをするとき、大半の販売員はなぜか紹介した商品の内どれかひとつに決めようとします。

選択肢がA、B、Cとあったとしたら「どれにしますか?」的な決め方をしようとするのです。

これってどうしてなんでしょうか?


少し話は変わりますが、以前私が髪を切りに行ったときの話です─。

そこは美容室ではなく理容室なのでカットと一緒に顔剃りができます。

私は毎回顔剃りをしてもらうのですが、その日は疲れていたのでヘッドスパができるかどうか聞いたのです。

「もちろん大丈夫ですよ」と快くやってくれたのですが、終わってから『やっぱり顔剃りもやってほしかった』と感じてしまいました。

私は潜在的に、全ての商品を求めていたのですね。

そこの理容師さんは良くも悪くも自分からオススメをしてくれないので(笑)、それはそれでいいんですが、今回に関してはすごく物足りなく感じてしまいました。

つまり「カットもヘッドスパも顔剃りも全部やっていきます?」という提案ができたわけで、おそらく私はそのオススメを快く買ったはずという話です。

まとめてお客様にオススメするのは決して悪ではありません。

A、B、Cの選択肢があるなら、まとめて3つや2つとも、という選択肢もあるんです。お客様によっては、その方が効率が良かったり、気持ち的に満たされることがあります。

『まとめると金額が高くなる』というのは当たり前なのですが、そこの満足度で重要なのは、金額の問題ではないのです。まとめて購入することで満たされることが必ずあります。

その潜在的なニーズに気づけるかどうかの差が、売上げを大きく伸ばせる販売員になれるかどうかの差でもあります。

もちろんそうなるためには、お客様のことをよく知ってニーズを引き出す必要があります。

本当にこれだけでいいのか?
もっと他に求めていることがあるのではないか?

しっかり話をして、何が本当に必要なのか知らなければオススメすることはできません。

話をしたうえで、どれか1つの選択肢で問題なければそれでOK。

でも、複数の商品があることで満たされることがあるなら、迷わずオススメしてあげてください。

お客様は案外、自分が求めていることには疎いものです。それに気づかせてあげて、より高い満足を得てもらうのも販売員の腕だと言えます。

まとめてオススメすることが、お客様のためになることもあるということです。


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ABOUTこの記事をかいた人

接客販売トレーニング&コンサルティング事務所kocori(ここり)代表。 SC接客マイスター1級。 アパレル・時計・靴・リラクゼーション業界など、様々な販売を経験し、売上日本一など数々の実績を残す。kocori設立後は、企業研修・コンサルティング、講演などを中心に活動している。