日本一の売上げを上げるために私がやったこと
私はこれまでに様々な接客販売をしてきました。始まりは洋服を売る仕事。その後時計を販売し、あるきっかけからストレッチサロン(マッサージ店でストレッチを行なうサロンです)、そして靴の販売と売っているものもバラバラです。
そんな中でも、全ての職場で個人・店舗を含めて全国一位の売上げを獲得することができました。
簡単に書きましたが、正直日本一の売上げを獲得するためには普通に働いているだけではできません。
日本にはあらゆる販売業が存在していて、そのそれぞれに日本一の売上げを獲得している人がいます。そういう方ならわかると思いますが、何となくで仕事をしていてそこまでの売上げを上げることなんて不可能なんです。
でも、この記事を読んでいただいているということは、あなたは少なくとも
「私も日本一の売上げを上げてみたい!」
と、心のどこかで思っているのではないでしょうか。
そんな方のために、じゃあ実際に私が何をして売上げを上げたのかをお伝えしていこうと思います。
私が店頭に出て一か月目で日本一の売上げを上げることができた話をしましょう。
職場はストレッチのサロンでした。
当時、私はオープンが間近に迫る中、全くの未経験状態で入社しました。
その会社はフランチャイズでストレッチサロンを数人でオープンさせる予定の会社です。それまで洋服や時計の販売は経験していたものの、ストレッチサロンという新業態の存在すら知らなかった私。どんなスキルが必要で、どんな知識を持っていればいいのかもよくわからないという状況です。
すでに売っている人たちや他店舗・本社の人たちからは、『絶対に売上げを上げる』と意気込む私たちに
くらいの目線で見られていました。
未経験の人間しかいない会社で、そう思われるのは当然のことです。
ただ、そんな声が私に火をつけてくれました。「笑ってられるのも今の内だけですよ」と内心メラメラだったわけです。
そこでまず私がやったことは、”真似る”ことです。
ストレッチの技術を学ぶために研修所というものがあるのですが、そこにいる先生の行動をつぶさに観察してとにかく真似ました。
周りには同じ研修生が沢山いるのですが、私はもうそっちは見ていません。
とにかくその場で一番レベルの高い人を探して真似るのです。それができれば、少なくともその場で一番の人と同等のレベルで仕事ができるとわかっているので、真似ることを徹底しました。
①その場で最高の人を真似る
そして次に、”ロープレ”。
研修のカリキュラムにも含まれていた、接客を含めたロールプレイングを、徹底的にやり込みました。
当時、私の上司にあたる人も一緒に研修を受けていたのですが、その人とロープレをやりまくったのです。その内容は一般的なロープレとは一線を画します。とにかく真剣で全力なのです。
接客ロールプレイングは、実際のお客様ではないからと敬遠されがちですが、初心者にとっては、全ての練習ができる最高のトレーニングツールです。
そこで自分の出せるものを出し切って、振り返りを行なう。
良い点と悪い点を確認したら、すぐさま修正をかけて再度ロープレを行なう。
その繰り返しです。
私と上司は最初に「思ったことは遠慮せずに全て言い合おう」ということを確認して、全く遠慮もせずにお互いの良い点・悪い点を全て言い合いました。
お互いが必ず売れる店にするという共通目標を持っていたので、ダメ出しも全く気にすることもなく、とにかく今よりもレベルを上げることだけに集中しました。前日よりもレベルが下がっていれば文句を言い合うくらいです(笑)。
それでもレベルが上がることがわかっているので、何も気にせず、ひたすらにお客様対応の習得をし続けました。(事前に確認できていたからこそ、できたことですね)
結果的には、その研修所で過去最高の点数を記録して卒業することもできたのです。
②きちんとコミュニケーションを取ってお互いの能力を高める
さて、いざオープンを迎えます。
オープン準備の関係で、月初の1日からではなく、月の途中からのオープンになり、月間での売り上げ日本一を狙うには、なかなか最初から厳しい状態でのスタートでした。
とはいえ、新業態であり、あまり知られていない珍しさも相まって、お店は、初日からなかなかの盛況ぶりでもありました。ありがたい限りです。
ストレッチサロンは、マッサージ店と同じようなシステムで、『何分間施術をすればいくら』という感じの設定です。加えて、何度も通ってもらうために『回数券』というものが存在します。
この回数券をしっかり販売し、リピートしてもらうようにすることが一番の目的です。(回数券でなくともリピートしてもらえるのであれば、どっちでもいいんですけど)
そこで私が売上げを上げるためにやったこと。
それは、”とにかく楽しむ”ということです。
売上げを上げようと意気込んでしまうと、必ず顔に出ます。『売ってやろう』という気持ちが前面に出てしまうのです。
そしてそうなると、お客様は必ず引きます。「あ、こいつ売り込みしてきてるな」と感じてしまうのです。
それがわかっているからこそ、私はとにかく楽しむことを意識し続けました。
自分がお客様を施術している間中、とにかく話しをして、ストレッチという商品の良さと、私自身の接客の楽しさを感じてもらえるようにすることを一番にしたのです。
そうするとお客様は、『ストレッチをすることの重要性』や『ストレッチを受ける気持ちよさ』を感じてくれます。この商品なんかいいな、と気づいてくれればそれでOKなんです。
さらに、ただのマッサージ店と違って、施術者が身体のためになる知識を教えてくれる。ときには雑談をしながら楽しく会話をしてくれる。この店にいるのが何だか居心地がいいと感じてもらうための行動だけをやり続けました。
そうしていると、クロージングと呼ばれる行為を大してやらなくても、勝手にお客様が『また来たいから予約していく』と言ってくれるのですね。
その時に「回数券があって、何回も来られるようならこっちの方が断然安くなる」という事実を伝えるだけで購入してくれるのです。
こうやって日々売上げを重ね続けました。
③売上げに集中しすぎて、お客様を置いてけぼりにしない
ですが、このままでは、日本一の売上げを獲得することはできません。他の人たちだって同じようにやっている人もいるからです。
そこで常に私がやっていたことは、”目標立て”でした。
売っている人の金額と照らし合わせて、毎日どのくらいの金額を売り上げればいいのかを目標立てしたのです。この時点ですでに『日本一の売上げを上げるための意識』ができあがっているんですね。
今週一週間でいくら売ればいいのか?
今日一日でいくら売ればいいのか?
一時間あたりならいくらなのか?
そういうことを全て計算して、日本一の売上げにするための目標を立てるのです。
それがわかると、自分が今どのくらい売れていて目標まであとどれくらい売ればいいのかが見えるようになります。
届いていれば、もっとプラスにして余裕を持つための行動を考えますし、不足ならばどうやって売上げを上げるかを考えます。
毎日毎日、自分と他人の売上げを確認して、目標を立てることで目指す売上げを明確にしていたのです。
④自分の目指すところと、今いるところを明確に知る
そしてこれが最も重要かもしれません。
”仲間の協力”です。
私はオープンする前からずっと、「この会社の存在を知らしめるために日本一の売上げを上げる」と言い続けていました。自分が日本一の売上げを取ることができれば、この店舗は絶対に違う目で見られるようになる。必ず会社にとっても利益になるといったことを伝えたのです。
これは対外にではなく、同じ店で働く会社や店舗の人たちにです。
これをきちんと伝えることによって、仲間が惜しみない協力をしてくれました。
私がお客様を接客している時に、別のお客様が来店されてしまった時などは対応をしてくれる。ちゃんとお客様と話しができるように、スペースを確保してくれる。私が休憩などでちょっと外に出ている時も、お客様が来店してくれたことを知らせてくれたり対応してくれる。
そういった積み重ねを続けてくれて、少しでも売上げが上がるように努めてくれたのです。
実際、これが無ければ、私一人で売上げ日本一を取ることは絶対にできませんでした。
最初から「こうするんだ」ということを明確に伝えて、賛同してくれた仲間がいたからこそ売上げを上げ続けることができたのです。
⑤協力者を作る
そうこうしている内に、月の途中から新店としては考えにくい売上が上がりだし、異常事態を察した本部や他店の人たちが様子を見に来るようになり出しました。
まったく今まで存在もしていなかった新人が、突如として売上げランキングでトップに立っているのですから当然かもしれません。
最初は冗談めかして「売れればいいですね」程度にしか見ていなかった人たちが、徐々に「何をやっているんですか?」と聞きに来出す状況です。
月の後半を迎えるころには当初の目標よりかなり数字が上がっていました。
しかし、日本一を目指すならばそこで安心してはいけません。最後の一日まで絶対に油断してはいけないのです。
ある程度自分の想定よりも上をいっている状態が続くと、「もう余裕だな」とか「このままいけば大丈夫」という気持ちが生まれます。この気持ちが生まれた瞬間に売上げは上がらなくなります。
最後まで”気持ちを切らさずやり抜けるか”どうかが、売上げを上げるためには求められるのです。
⑥最後までやり切ると戒める
そんなこんなで仲間たちの協力もあり、月の途中から始まった店舗にも関わらず、私は日本一の売上げを獲得することができました。
新人スタッフが、いきなり初月で日本一の売上げを上げたわけですから、本部を含めグループに激震が走ったのは言うまでもありません。
でも、やっていることは決して特別なことではありません。
他の人たちがやっている当たり前のことを、その何倍も時間と労力をかけてやった。そして仲間に協力してもらうことができた。それだけです。
要は単純なことが、いかにできるかどうかだけの差なんですね。
ということで、最後にポイントをまとめてみましょう。
①その場で最高の人を真似る
②きちんとコミュニケーションを取ってお互いの能力を高める
③売上げに集中しすぎて、お客様を置いてけぼりにしない
④自分の目指すところと、今いるところを明確に知る
⑤協力者を作る
⑥最後までやり切ると戒める
以上の6つです。
皆さんの職場が、大都市のお店であれ、地方のお店であれ、どこでも売上げを上げることはできます。
そのために必要なことは、上記したような意識とやり続ける精神力です。
日本一の売上げを目指すかどうかは人によるでしょうが、その売上げはその分お客様に支持されたということに直結します。売上げが上がらなくてもお客様に愛されているからいい、というのは自己満足でしかありません。お客様に支持されていれば自動的に売上げも上がるのです。
どこまで本気でやるかはあなた次第。でもやってみて初めて見えてくることもあります。
少しでも参考にしてもらえれば幸いです。