誰もが苦手!?接客ロールプレイング
接客販売員の人なら一度はやったことがあるかもしれませんね、接客ロールプレイング。念のため、接客ロールプレイングを知らない方のために簡単に説明しておきます。
接客ロールプレイングとは、販売員役とお客様役を設定しロール(役割)をプレイ(演じる)ことです。つまるところ、実際の接客販売を想定して、販売員がお客様にどう接客やアプローチをかけていけばいいのかを練習すること。”接客ロープレ”などと呼ばれることが多いですね。
さて、この接客ロールプレイング(以下ロープレと略します)。正直誰もが苦手だと思います。理由は様々ですが、一番多く上がるのが『実際のお客様ではない』ということ。接客する相手が本当のお客様ではなく、お客様”役”の人ですから本当の接客とは違うという違和感を感じてしまう。また、ロープレの目的が接客の練習になっていることがほとんどですから、どこかしら問題点などを探されてしまうために非常にやりづらい部分もあります。場合によっては人前でやることになるため、緊張してしまうという人も多いでしょう。
そんな状態でロープレをやることが意味があるのかどうかという点がいつも議論になります。本当のお客様でないのであれば意味がないという意見もよく聞きますし、どちらかと言えば否定派が多数だと思います。
ここで言うのも何ですが、私は接客ロールプレイングでそれなりの実績を持っていて、数万人の中を勝ち抜いた結果全国大会で優秀賞を獲得した経験があります。全国大会ともなると1000人近い人を前にする大きな会場でロープレをやります。後に加えて日本最古の大手百貨店で行われたロールプレイング大会でも圧倒的な差をつけて優勝したこともあります。その際には百貨店での特別表彰までいただくことができました。
その経験を踏まえて、接客ロールプレイングの意味について結論からお答えします。答えは『意味がある人とない人がいる』です。
どっちつかずな答えでなんじゃそりゃと思った人もいるはずですが、これが結論です。今から書くことは一部の方々にものすごく怒られそうですが、少し詳しくお話します。
まずもって、大規模なロールプレイングの大会がありますよね。私が出場したものの他にもいろんなところで大会は開かれています。これは、接客力を鍛えると同時に販売員の評価の場を作るために存在していると思います。
販売員には接客力・販売力を評価してくれる場というものが他にありません。売り上げなどではもちろん評価できますが、それはその会社内だけの話であって対外的に見えるものではないわけです。ですから販売員のモチベーションアップも狙ったこういうロープレ大会というものがあります。これで、上位入賞したりすればものすごくわかりやすい指標になりますからね。
実際、全国大会などで入賞しているような人たちの中に接客力・販売力が低い人はいません。全員本当に接客が上手です。演技がうまいだけと思われがちですが、そこまでやれる人は本当の接客のレベルも一様に高い。これは真実です。真剣に取り組める人たちにはロープレは意味があります。
ただ、ここで上位入賞できない人、人前でやるロープレが苦手な人が接客力が低いかと言うとそれはまた別の話。
人前だから緊張するとか、実際の接客ではちょっと特殊な接客だったりでロープレ大会に向かないというだけで、本来の接客力・販売力が高い人は世の中にたくさんいます。こういう人たちに無理にロープレをやらせたところで結果は出ません。なのでロープレは意味が無いという答えになります。タイプが全く違うだけで接客力があることには変わりないですから、意味がある人とない人がいるんですね。