”当たり前”の違い
以前に郊外の大型ショッピングモールへ行った時のこと。
雨男の私が家を出てから雨が降り出してしまいましたが、そんな中でも思ったより来場者も多くいました。
まぁそんなことは置いといて、買い物をしている中でこんなことがありました。
ある店でパンツ(ズボン)を試着していて、サイズがSとMでどちらでもいいようなモノがあったのです。
Sサイズだとかなり細身の感じで履けるし、Mサイズでも少し違った雰囲気で履ける。
素材的にウエストもどちらでも問題ない感じでした。
そこで私は単純に『上着によって変えれるからいいな』と思って両方買うことにしたのです。
で、販売員のお姉さんに持っていた上着と合わせて「全部ください」と言いました。するとそのお姉さんは「ありがとうございます」と言ってレジに案内してくれます。
ただ、レジでお会計をしていると買うはずのズボンがひとつしか用意されていないのです。
販売員のお姉さんが勝手にひとつしまっていたんですね。
慌ててもうひとつも欲しいと言ったのですが、それでもその方はよくわかっていないようでした。
両方とも買うんだということをもう一度説明してようやく理解してもらえたんです。
前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、当たり前のことだと思っていることが接客販売の場では邪魔をしてしまうことがあります。
さきほどのお姉さんは、まさか同じ人が違うサイズのズボンを買うなんて思っていなかったんです。
まったく同じものでサイズ違いを買うなんてあまり無いことですから。
でもそれは思い込みでしかありません。
状況によって、お客様によって当たり前の感覚は必ず変わってきます。
私はまとめ買いをするタイプなので同じ商品でも、一気にいくつもまとめて買ったりすることがあります。ただ単に気に入ったものを長く使いたいので、いくつも持っていたいタイプなんですね。
そういうことを理解してくれる販売員は、まとめて商品を提案してくれるので一気に売上げにつながります。
逆に理解できないと、ひとつしか売れないなんてことにもなります。(私は自分から言いますけど)
同じモノを大量に買うのが当たり前の人もいれば、どう考えてもそれだけでは足りないだろうと思うモノを欲しがる人もいます。
一般的な当たり前とはずれていることもありますが、それがその人にとっては当たり前なことなんです。
それを見抜けなかったり、理解できなかったりすると、せっかくのチャンスを自らふいにしてしまうことにもなります。
想像もしていないことをお客様が求めてきたときにどんな反応ができるか。
そのあたりも販売員の資質だと思います。
自分の思う当たり前なことが、当たり前じゃないお客様はたくさんいるのです。