『10万人に1人の逸材』という言葉が、スポーツの世界などではよく聞かれます。
10万人というとものすごい数ですが、その内の1人になるということは、とても素晴らしい才能を持っているということなのでしょう。
確かに、憧れる存在ですよね。
これを仕事に置き換えてみると『10万人に1人の販売員』ということになるのでしょうか。
こうして文字にしてみると、とても難しいことのように感じますが、1つ大きな疑問が残ります。
「そんな存在になる必要があるのか?」ということです。
『売れる販売員』『仕事ができる販売員』になりたい気持ちは、真面目に仕事に取り組む販売員であれば、誰もが持っているものでしょう。
ですが、だからと言って10万人に1人レベルの存在になりたいかと言われれば、決して
そうではないでしょうし、会社も店もそこまでのことを求めてくることはありません。
せいぜい「この店で売れるようになってほしい」「この会社で活躍してほしい」というようなものです。
というかそれで十分ですし、そうなってくれたら周りの人たちはとても助けられます。
でも、『売れる販売員になりたい』と思っている人ほど、こういう部分が漠然としているように感じるのです。
「私は売れるようになりたいです」と言っているけど、それがどのくらいのことなのかを聞いてみるとそこまで考えられていなかったりする。
結局着地点がよくわからないのでモチベーションも続かないし、どこまでやっても達成感を感じることもできません。
それでは、とてももったいないように思います。
だったらまずは、10分の1くらいの数を目指してみてはいかがでしょうか。
お店の規模にもよりますが、大型店なら1店舗に数人、小規模店なら1~2店舗の中での1番くらいの数です。
このくらいなら何とかなりそうな気がしますよね。
でも実際のところ、求められるレベルはそのくらいのものだと思います。
10人に1人くらいの逸材になれれば、周囲からは十分に仕事ができる人だと認識されるからです。
会社やお店としては、まず自分たちの世界で秀でてくれる存在を求めますし、そういう人がいてくれればとても助かります。
そんな人が会社や業界を飛び越えて秀でてくれるなら、それはもちろん嬉しいことですが、そこまでを無理に求めようとはしません。
ですからまずは、10分の1くらいの存在になれればOKなのです。
10人に1人のレベルで売上が高い、
10人に1人のレベルでマネジメントが上手い、
10人に1人のレベルで…
どの分野で秀でることができるかはわかりませんが、可能性としてはいくらでもあるはずです。
でもそれぞれで活躍して、会社や店にとって不可欠な存在になれれば、「この人は仕事ができる」と思ってもらえるわけですから素晴らしいことですよね。
この『10分の1』というのはあくまでも僕の体感ですし、誤差はあると思いますがあながち大きく外れてもいないと思っています。
なぜかというと、意識の高い販売員に出会う確率が大体そのくらいだからです。
例えば、僕が配信しているメールマガジンを見てみてもそれはわかります。
別に公表するようなこともでありませんが、僕から読者の皆様に投げかけてリアクションを
してくれる人や、質問などを送ってきてくれたりする人はだいたい10人に1人くらいの割合です。
有料版の『販売力向上講座NEXT』(現在はnote版に移行しています)というものも配信していますが、やはりこちらも同じようにきちんと読んでくれている人の10分の1くらいの人たちが、実際に動いて購読してくれています。
そういう人たちは、10分の1になれる行動力を持っているわけですから、何かしらお店や会社で結果を出されていますし、役職を持っている人も多くいらっしゃいます。
10分の1になることで、会社やお客様からの評価を得ているということです。
そしてもっと上を目指そうという人は、その10分の1の中でも、さらに10分の1の行動力を発揮して、どんどん先へ進みます。
それが結果として何万分の1という数になるのかもしれませんが、まず会社や店で求められるのは、せいぜい10人に1人くらいのレベルでしかないのです。
読者の皆様ご自身がどのくらいを目指して仕事をしたいかはわかりませんが、あまり大きな数字ばかりを見てもモチベーションは続きません。
それよりもまずは10人に1人くらいのところを目指してやってみる。
これだけでも十分だとは思いますが、さらに先へ進みたいなら、次はさらに10分の1を目指して行動してみる。
その繰り返しだと思います。