先日、クレームに関する記事を書きました。
クレーム対応が良い店と悪い店をわける。お客様の【主張】を聞き取るクレーム対応
今回はこのクレームに対して実際にどんな対応をすればよいのかを考えていきます。
本当にクレームに対してきちんと対応ができれば、クレーム客を上顧客に変えることができるのです。
クレームをつける方も実は大変
お客様がクレームを言ってくることがどういうことかを理解できていますか?
実はクレームを言うということは結構大変なことなんです。何故なら、気に入らないことがあれば別にいちいち言わずとも、もうそこに行かなければいいだけの話。そこで買い物をすることを止めればそれだけで済む話なんです。
ですが、わざわざ時間と労力を使ってクレームを言ってくるお客様はその店・商品を愛してくれているが故に言わざるをえない場合がほとんど。
このことを理解できていないと、「クレームを言ってきて面倒くさい」という意識が先行してしまってきちんとした誠意ある対応はできません。
まずは従業員全員がクレーム客は自社を愛してくれていることを理解しておくようにしましょう。
実際のクレーム対応
では実際にクレームにあった場合、どんな対応をすればよいのか。
基本的には2つのことを徹底できていればOKです。
まず第一に必要なのは、相手のクレームをきちんと聞くこと。お客様が主張したいことがあるのに、それを遮って店側の都合を主張してしまうと「話を聞いてもらえない!」と余計に嫌な思いをさせてしまいます。
この話を聞くときに一つポイントがあります。
それは相手にきちんと名前を名乗ってもらうこと。
インターネットの世界では罵詈雑言が飛び交っているのをご存知でしょうか?これはネットの匿名性が関わっています。
『2ちゃんねる』などに代表される匿名の掲示板やSNSが普及したために、誰でも自分の正体を告げることなく主張ができるようになりました。しかし、そのおかげで好き勝手に言葉を発することができるようにもなりました。もし、今ネット上で自分の正体をさらさなければいけなくなればネットに溢れている罵詈雑言は100分の1以下になるはずです。
人は自分の正体を知っている人に対して強く当たることを嫌います。それは自分のことを守りたい防衛本能からくるものです。ですからまず最初に相手の名前(個人情報)を確認するのです。
お客様相談室のようなところに電話をすると「サービス向上のため通話を録音させていただきます」という自動音声が流れますよね。あれも一つの防止策です。
そうは言ってもいきなり「名前を教えてください」と言っては相手に火をつけてしまう恐れがあります。そこをうまく聞きだす方法を持ってください。
私のかつての上司は電話でクレームを受けた時こんな方法を使っていました。
「お客様、恐れ入りますが、もし途中で電話が切れてしまった場合すぐに折り返せるようにしたいのでお名前とお電話番号をお教え願えますか」と。こう言われては相手も教えないわけにはいきません。
また、直接のご来店の場合は方法が変わります。こういった場合は相手に直接聞くしかありません。
一つの方法としては、「自分ひとりの判断ではお客様のご希望に沿えない可能性がありますので会社と相談するためにもお客様のお名前とご連絡先をちょうだいできますでしょうか」とお伝えする。
そうすれば相手も何か対応をしようとしている意図を汲んで教えてくれる場合が多いです。
このどちらにしても、絶対にきちんと最初に自分から名乗る必要があります。
「私は○○と申します。今回の件は私が責任を持ってお伺いさせていただきますので」という姿勢を見せることで相手も話をしようという意識になってくれます。
ここで責任逃れの意識から名乗りもせずにたらい回しにしてしまうのが、最悪のパターンです。これは絶対にやめてください。面倒だから大変だから誰かに任せようという意識を持ってしまうとこうなってしまいます。
クレームは受けた本人がまずは責任を持つことを徹底しておくべきです。
そして第二は『感謝の気持ちを伝えること』です。
先ほども言いましたがクレームを言うのは大変なことです。ですが、それをわざわざ伝えてまでも店に変わってほしいと思うことがあるからお客様は言ってきます。
それに対してきちんと感謝を伝えてください。
「我々の至らない点に気づかせていただいてありがとうございます」という姿勢です。
そうすることでお客様も「クレームを言ってよかったんだ」と思ってくれます。そうなると次にあの店に行きづらいなという気持ちも緩和されて来店されやすくなります。
そうなればクレーム客から上顧客に変わるチャンスです
この2つのポイントを理解して覚えておけば、実際にクレームを受けた時も問題なく対応できます。
クレームを受けるのは非常に大変ですが、必ずそんな時はやってきます。
恐れて逃げるのではなく、上顧客としてまた来店してもらえるようにするくらいの気持ちで誠意ある対応を見せてください。