人に教えるには理解が必要
販売員の仕事は接客だけでなく多岐にわたりますよね。数字に関しても強くなる必要がありますし、商品に関する知識、ディスプレイ能力、お客様のアフターケアに関すること、小さいところまで言うと店舗の備品管理などまで沢山覚えることはあります。
特に新人スタッフにとって、こういった一つ一つの仕事を覚えるのは大変です。接客そのものに慣れていないことに加えて他の仕事もどんどん出てくるのですから。
さて、こういったどんどん増えていく仕事に追われてしまって一つずつの仕事がおざなりになってしまうと結果的に全てが中途半端なレベルで終わってしまいます。それぞれの仕事のレベルが低い状態で働いていてもお客様を満足させることはできませんし、会社からの評価も得られません。そして一年、二年と時間が経ったとしても「まだそんなこともできないのか!」と叱られしまうような人がいたりするのです。そうならないためには、結局一つずつの仕事をきちんと覚えてできるようになっていくしかありません。
ではどうすれば仕事を正確にできるようにしていけばよいか。
一つの方法としては、自分が”先生”になるという方法があります。簡単に言うと、他の誰かにその仕事を教える機会を作って実際に仕事を教えてみるのです。
やってみるとわかりますが、「この仕事はこうやってこんな風に進めてください」と誰かに教えるためには自分の仕事に対する理解力が足りていないとできません。
例えば、レジの打ち方という仕事があるとしましょう。これを誰かに教えるとします。
レジの開け方から、お金の管理の仕方、商品の入力の仕方やクレジットカードの使い方、お釣りの出し方にレジの締め方などざっと挙げただけでも大量の作業が存在しますよね。人に教えるためには、このどれか一つでも理解ができていないと教えることはできませんし、質問に答えることもできません。細かい一つずつをしっかり理解している必要があると言うわけです。
自分が先生となって教えていると、自分でも気づかなかった点で理解が足りていない事にも気づけます。そこでまた問題をクリアしていくと仕事そのものをきちんと理解してできるようになっていきます。
このように自分である程度できるようになった仕事があれば誰かに教える機会を作ってみると、仕事の精度を確認することもできます。自分以外の新人さんや後輩スタッフ相手でもいいですし、先輩や上司に「仕事を覚えられたかどうか確認したいので教えられる立場で話を聞いてくれませんか」と誠意を持って頼めば、まともな人であればちゃんと協力してくれます。
社員教育にも使えるのが良いところ
実はこの”先生”になるというやり方は社員教育にも有効です。後輩や新人のスタッフ指導をしているときに、本人が本当にわかっているかどうかなんてわかりませんよね?
「ここまではわかりましたか?」なんて聞いたとしても「はい」としか答えませんから。
こういう場合には指導しているスタッフに「じゃあ覚えたことを使って私に仕事を教えてみて」と実際に先生になってもらうのです。そうすると指導されている側は覚えた知識をフル活用して教えることになります。ちゃんと覚えたことはスムーズに教えられますが、そうでないことは説明につまづいたり、何も言えなくなってしまいます。その度に確認をすることで仕事を理解させることができるんです。
すごく簡単なのに社員教育としての効果も高い方法ですから、是非活用することをオススメします。
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