肯定から入る導入
これまで度々ファーストアプローチについてお話ししてきましたが、今回もそのひとつです。
アパレルショップなんかで商品を見ていると、よくこんな声をかけられます。
満面の笑みで言ってきてくれるのは結構なのですが、できればやめてもらいたい声かけです。
なぜなら、お客様からすれば否定されているのと同じだからです。
お客様はその商品のその色が気になったからこそ、手に取っています。にも関わらず、最初から他の色の存在を伝えられても別にどうでもいいわけです。
気になるのは目の前の商品なのであって、他の色の商品ではないのですから。それよりも、まずは今手に取っている商品がどうなのかを知りたいんです。
「この色似合うかな?」
「この色でも大丈夫かな?」
そういう不安や疑問を持ちながら見ているのですから、そこを解消してくれる声かけをお客様は求めています。それなのに最初から他の色をすすめられては、「その色やめたほうがいいよ」と言われているのと同じです。
まぁこれは言い過ぎだとしてもそれに近いようなことではあります。
「他のお色もありますよ」というのは、ある程度話が進んでからならいいのですが、最初に言う言葉ではないんですね。
ファーストアプローチの最初、ド頭の言葉ではぜひお客様を肯定してあげてください。
「お似合いになりそうですね」
「その色使い勝手いいんですよ」
なんでも構いません。
まずお客様が選んだ商品を肯定することで、お客様も自分が手に取って見ていることを肯定されます。
他の色とか、他の商品の話はそれからでも十分です。
わかりやすいように色を例に挙げましたが、導入での安易な他商品のオススメは、お客様を否定してしまいがちです。そんな声かけをしないように気をつけたいですね。