このところ、研修やコンサルティングがピークを迎えていて、なかなかブログを更新できていませんでした。ごめんなさい。
さて、いろんなお店や企業で、店長やマネージャー、経営者の方々とお話をしていると、
「褒めても上手く伝わらない」
「褒めることに苦手意識がある」
という言葉を聞く機会が、多くあります。(叱り方で困っている人もいますけどね)
今、この記事を読んでくれているあなたはどうでしょうか?
スタッフを褒めようと思った時、どんな褒め方をしていますか?
今回は、「褒めるのがちょっと苦手」という方へ向けた、1つの褒め方テクニックをご紹介したいと思います。
スタッフ向けというよりは、店長やマネージャー職の方向けの話になりますので、その辺りも加味してご覧ください。
褒めるのが苦手な理由
上記のような、褒め方で困っている人には、『自分の言葉で伝えるのが苦手』な人が多くいらっしゃいます。
例えば、部下やスタッフが、仕事でうまいこと成果を上げてくれたけれど、
「よかったね!」
「やるじゃん!すごい!!」
と、簡単に口にできないのです。
これは特に、男性の方に多くて、なんとなく褒めるのが恥ずかしいと感じる人もいますし、いやいや、もっとやれるはずでしょといったように、より高いレベルを求める人もいるからです。(もちろん、一般的な話で、人によります)
しかし、部下やスタッフ側の気持ちとして、頑張って成果を上げたことに関しては、やっぱり認めてもらいたいもの。
認めてもらえなければ、
「何のために頑張ったのかな…」
「私がやったことに意味はあったのかな…」
「せっかく頑張っても認めてもらえないのか…」
と、気持ちが下がってしまいます。
逆に、成果を認めてもらえた時は、
「もっと頑張ろう!」
「こうすれば認めてもらえるのか!」
と、気持ちが盛り上がり、さらに仕事に対する活力を持ってくれるようになります。同じ結果で、それだけの気持ちを持って、次に繋げてくれるのであれば、絶対にこっちの方がいいはずです。
そして、そう感じさせてくれるのは、やはり『褒める』という行為なんですね。
自分の言葉で伝えるのが難しければ…
そんな、『褒めるのがちょっと苦手な人』にオススメしたい方法があります。
自分の言葉で伝えるのが難しければ、他者(他人)の言葉を使えばいいのです。
どういうことか、意味がわかりにくいと思いますので、解説します。
下の図Aをご覧ください。
左の人は、褒めるのが苦手な人だと思ってください。
自分の言葉でスタッフを褒めている様子を表してるのですが、何やらよく伝わっていない様子です。
これが、褒めることを苦手としている人のパターンですね。せっかく褒めているのに、相手がそう受け取ってくれないのです。
続けて、下の図Bをご覧ください。
こちらも同じように褒めている様子を表しているのですが、ちょっと違う部分がありますね。
このBパターンでは、左の人が、他の誰かが「こう言っていたよ」という伝え方をしています。
これが他者の言葉を使って褒めている様子になります。
つまり、同じように「良かったよ」「頑張ったね」という言葉でも、他の誰かが言っていたという伝え方になると、褒めの伝わり方が一気に変わるのです。
ご自分の経験を思い出してみてください。
直接上司に褒められると、確かに嬉しいはずです。
しかし、例えば先輩に、「ねぇねぇ、昨日〇〇店長が、あなたのことをすごく頑張ってたって褒めてたよ!」と言われたとしたらどうでしょうか?
より以上に嬉しく感じたりしませんか?
他者の言葉を使うというのは、直接褒められる以上に効果が膨らむ可能性を秘めているのです。
具体的にはどうすればいいの?
では、具体的に、どんなやり方で褒めることができるかを考えてみましょう。
(基本的には、少しいやらしい使い方になってしまいますが、褒めのテクニックとしてご覧くださいね)
まず、一番やりやすいのは、褒めたいスタッフについて、他のスタッフに聞いてみることです。
褒めたいスタッフがAさんだとしたら、例えば、先輩のBさんなどに、「Aさんがこの間頑張ってたんだけど、何が良かったと思う?」と聞いてみるわけです。
そうして、先輩Bさんが出してくれた褒め言葉を、スタッフAさんに対して伝えてあげるのですね。
「B先輩が、〇〇だって褒めてたよ。よく頑張ったね」
なんて伝えてあげられたら、スタッフAさんは、きっと喜んでくれるでしょう。
また、店長やマネージャー自身の言葉を、他の誰かに伝えてもらうことも、ひとつの方法です。
先ほどの登場人物で言うなら、店長自身が、先輩Bさんに、「明日私が休みの時に、Aさんに、店長がこうやって褒めてたよって伝えてもらえない?」とお願いをしておく。
すると、先輩Bさんの口から、スタッフAさんに褒め言葉が伝わることになります。
先輩Bさんとの信頼関係と協力が必須になりますが、これも同様に、スタッフAさんの気持ちを上げてくれます。
いずれにしても、他者の言葉という協力を得ることで、褒めるという行為が、比較的楽に、大きな効果をもたらしてくれます。
上記のやり方は、あくまでもテクニックの一つであり、”絶対にこのやり方が良い”という話ではありません。
下手にやってしまうと、かえっていやらしいと思われてしまう可能性もあります。
しかし、褒めるのがどうしても苦手だという場合は、こんなやり方で褒めてあげるのも良いかもしれません。
誰の言葉を使って褒めてみるか、どんな伝え方で褒めてみるかなど、ぜひ考えて試してみてください。
あ、あまりにもやりすぎると効果を失ってしまうので、くれぐれもお気をつけて。