
クレームは苦情ではない?
接客販売に切っても切り離せない【クレーム】。
クレームに悩んでいる販売員は沢山います。それはクレームそのものが無くなることはありえないからです。
今回はこのクレームに関してどう対応していけば良いのか考えていきましょう。
ところで【クレーム】という言葉の語源知っていますか?
英語で書くと【claim】と書きます。この言葉の意味はもともと
・要求(請求)する
・主張する
という意味。
そう、苦情を言うという意味は持ち合わせていないんです。
英語での本来の意味でのクレームは【complain】という単語が使われます。
おそらくですが、お客様が権利を主張、要求するという点からクレームという形で広まって和製英語となっていったのでしょう。
さて、ご自身が受けたことのあるクレームを思い返してみてください。
接客経験の長い方ならこれまで沢山のクレームを受けてきたことがあるはずです。そのほとんどがお客様が何かしらの問題に対してクレームを言ってきているのだと思いますが、よくよく話を聞いているとそれは苦情ではなく主張ではないでしょうか?
「商品に問題があった」
「接客で不快な思いをした」
「金銭面でのトラブルが起きた」
などなどクレームに発展する問題は多々ありますね。
お客様の言葉の『本質』をよく聞く
こういったクレームを解決するために一番大事なのは、お客様の言葉の『本質』をとにかくよく聞いてあげることです。
お客様は苦情ではなく、自分自身にある当然の権利を主張しています。その主張の言葉の裏側には本質が隠されているんです。
「商品に問題があった」⇒「自分の想像通りの商品が欲しかったのに想像と違っていた」
「接客で不快な思いをした」⇒「楽しく気持ちよく買い物をしたかったのに、それを邪魔された」
「金銭面でのトラブルが起きた」⇒「損をしたくない」
本当はお客様としては、お金を払う側の当然の権利を主張しているだけなんです
自分が求めている状態の商品ではなく、傷があったり、サイズが合わなかったり。
気持ちよく買い物をしたかったのに、不快な対応をされたり、こちらの意向をくみ取ってくれなかったり。
お金の問題に関しては誰だって無駄な損は避けたいですから、商品を買った翌日にセールになったりしていれば、「どうして教えてくれなかったの」と言いたくもなるでしょう。
こういったクレームの裏側の本質をまず聞くことで、お客様が何をして欲しかったのかがわかります。あとはそれに応じた対応をしていくことができればお客様はむしろ喜んでお帰りになることでしょう。
水掛け論は誰も得しない
次に問題になるのが、責任の所在です。クレームの内容によって、この責任の所在がどこにあるのかが変わってきます。
例えば、接客クレームなどは完全に店側の責任です。
お客様に不快な思いをさせてしまうような接客をしていたのであれば、それは改めるべき。そうでなければ、どちらにしろお客様は離れていってしまいます。
商品クレームの場合は、少し難しくなります。
店側に責任がある場合もあれば、お客様の扱いによって商品に問題が起きる可能性もあります。ですが、後者の場合は店側が扱いに関する説明をする責任を持っています。そういった説明を怠っていたのであれば、どちらにしても店側に責任の所在があります。
今までに挙げたクレームの例は全て、言った言わないの『水掛け論』になりやすいものです。
ですが、相手が言ったとか自分たちは言っていないという水掛け論は誰一人得をしません。お客様の信頼は失うし、お客様は損をするしで何一つ良いことがないんです。
クレーム対応として、この水掛け論は絶対に避けるべきということを覚えておいてください。
3月11日追記
実際の対応について記事を追加しました。