質問をうまく活用して、お客様のニーズを引き出す
人と会話をする時の行動の基本は、たった二つだけです。自分が話をするか、相手の話を聞くか。このどちらかですね。
今回は相手の話を聞くことについてお伝えします。
販売員は、どうしても自分たちの商品を売り込むために、自分が話をしたがりますが、接客でより大事なのは『お客様に話をさせる』こと。
お客様かどうかなどは関係なく、友達同士の会話でも、基本的に、人は自分の話を聞いてもらいたいものです。
そして、自分の話を聞いてくれる人を好むのが、人間という生き物でもあります。
なので、接客販売の現場でも、お客様により気持ちよく話をしてもらうことができる人が好かれます。
では、より気持ちよく話をしてもらうにはどうすればいいでしょうか?
ポイントは、これまでに何度もお伝えしている質問力です。質問をする力のことですね。
5W3Hで質問してみよう
一般的な接客販売コミュニケーションにおける質問は、これからお伝えする、5W3Hを頭に入れておくと、とてもスムーズになります。
中学生頃に、英語の時間で習いましたよね?
・When(いつ)
・Where(どこで)
・Who(誰が)
・What(何を)
・Why(なぜ)
・How(どうやって)
これが5W1H。これに、商売的な質問でもある、
・How Much(いくらで)
が入って、5W2Hです。
正直これだけの質問でも十分なのですが、質問力の向上を狙うとしたら、さらに一つ付け加えます。
・How was It(どうだった?)
過去のことや、それまでの経験がどうだったかを尋ねる質問です。
なぜ『どうだった?』を聞くのか?
例えば、旅行の話になったとします。
お客様から「この間、旅行に行ってきたのよ」と言われたら、基本は上記の5W2Hで質問をします。
そこに加えて、その旅行がどうだったのか(How was It)を聞くのです。
なぜ私がこんなことを言っているのかと言うと、お客様との会話はただ楽しく話せばいいものでは無いからです。
もちろん、お客様には楽しく自分の話をしてもらうのですが、販売員はその話の中から、お客様が求めているものを知る必要があります。
そこから、お客様の不満を解消できる提案をすることができるかどうかが、デキる販売員になれるかどうかを左右します。
先ほどの旅行の話に戻ってみましょう。
お客様に、旅行に行った時のことを尋ねてみて、それがどうだったのかを質問します。例として、京都にでも行かれたとしますね。
「お寺を巡っていたら靴を脱ぐことが多くて大変だったわ」
という話が出たとしたら、次回、旅行に行く時は、『脱ぎ履きしやすい靴があると楽だろうな』と想像できます。
私は以前に靴を販売していたので、靴を例えに出しましたが、皆さんそれぞれが扱っている商品に沿った話がきっとあるはずです。
アパレルショップの販売員なら、移動で座ることが多いから、シワになりにくい素材の洋服はどうだろうとか。
美容師の方なら、旅行で帽子をかぶることが多いから、帽子をかぶっても崩れにくい髪形はどうだろうとか。
マッサージ師なら、旅行で歩く時に、ここの筋肉を沢山使うはずだから、旅先でできるマッサージ法を教えておこうとか。
こういう提案の仕方ができるようになるためには、質問力を磨いて、お客様にどんどん必要な情報を喋ってもらう必要があります。
実は情報収集することも、相手が話していることを、より深く聞き出すために必要なことです。
少しでも自分に知識があれば、より深いところまで突っ込んで聞けますからね。
5W3Hを使って、どんな質問の仕方をすれば、相手の話を引き出せるか考えてトレーニングをすることで、必ず質問力は上がります。
是非活用してみてくださいね。
*電子書籍『販売力向上講座 〜しつもん力向上編〜』より