商品を知るとはどういうことか?
言うまでもないことですが、真剣に売上を上げようと思うなら、販売する商品のことを知っておかなければいけません。
いわゆる商品知識のことなのですが、この商品知識の捉え方が、売れる販売員とそうでない販売員によって違うように感じます。
一般的に商品知識とは、出来上がった商品に関する情報だと思われています。
例えば、洋服などで言うならば、
・サイズ感
・重量(重い・軽い)
・機能
・どんな着こなしが合うか?
などのような情報です。
確かに、これも商品知識です。
ですが、これらの情報だけを身につけても、本当の意味で商品を知っているとは言えません。この情報をいくら販売員が力説しても、お客様の心にはなかなか響かないのです。
本当の意味での商品知識とは、言葉にするなら『ストーリーを知ること』です。
出来上がった商品の知識ではなく、商品がそこで売られるまでのストーリーのことですね。売っている販売員は、皆このストーリーをよく知っています。
先ほどの洋服の例に戻りましょう。
店頭で洋服が売られるまでには、様々なストーリーが存在します。
そのブランドのストーリーもあれば、その商品を作るに至ったストーリーもあるでしょう。出来上がるまでに思考錯誤したストーリーもあるし、どんな素材を使うかで討論したストーリーもあるかもしれません。
何より、その商品を作ろうと頑張った人たちのストーリーがあるわけです。
売っている販売員は、そのストーリーの情報を得るために必ず行動します。
上司や製作に携わる人たちに質問をして、想いや苦労を聞くこともあります。
使われている素材が作られる方法を調べて、素材ひとつのこだわりについても学びます。
商品の成り立ちなど、歴史を調べて、なぜ、今この商品が世に出ているかも考えます。
中には、誰が作っているのかを聞いたり、調べたりして、直接話を聞きに行く人だっています。
本気であればあるほど、一般的な商品知識では収まらないストーリーを知り、それをお客様に伝えられるようにしているのです。
あなたも経験があるかもしれません。
テレビ番組などで、新商品の開発秘話みたいな番組を見たことがありませんか?
その開発秘話を見て、思わず欲しくなってしまったなんてことはありませんか?
あれも同じようにストーリーを伝えているからこそ、人の心を動かすし、欲しくなるのです。
もしその番組が、ただ商品の素材や機能説明ばかりだったとしたら。
欲しいと思う気持ちに、大きな違いが出てくると思いませんか?
素材や機能といった商品知識も大切です。
しかし、それらは極端に言えば、カタログなどの情報でまかなえるものでもあります。
販売員や営業マンが伝えるべき情報は、そのもっと奥深い情報ではないでしょうか。
表面的な知識だけではなく、本当の意味で商品を知っているとはどういうことか?
ぜひ考えてみてください。