改めて感じた日清のすごさ!『カップヌードル』にはこんな秘密があった

IMG_1133

カップ麺業界の順位は…

コンビニやスーパーなど様々な場所で売られている”カップ麺”。そのカップ麺業界で首位をひた走っているのは『日清食品』だというのは周知の事実なのではないでしょうか。

日経業界地図2015によると大手メーカー3社の売上ランキングは以下の通り。

1位 日清食品…売上高4,176億円
2位 東洋水産…売上高3,722億円
3位 サンヨー食品…売上高1,717億円

1位の日清食品が業界トップ5に位置していた明星食品を子会社化したことでさらにそのシェアは確固たるものとなりました。

その日清食品の代名詞、日本人なら誰もが知っている上に外国でもメジャーな”カップヌードル”は一度は口にしたことがあると言う読者の方がほとんどなのではないでしょうか?最近では、ビートたけしさんや矢口まりさんなどが出演したテレビCMが放送中止になったことなどで話題を集めていますね。

今回はこの”カップヌードル”のある部分について焦点をあててお伝えしていきたいと思います。

パッケージに隠された秘密

なぜこの販売力向上講座ブログで”カップヌードル”なのか?と疑問に思われた方もいっぱいいると思います。でも、この日清食品の計算された(であろう)すごさを知ることは、商品を売る仕事に就く人たちにとっては重要なことなのでお伝えしておきたいんです。

そのすごさは『パッケージデザイン』にあります。

実は最近、東京でも上位の売上げを誇るコンビニオーナーの方と知り合う機会がありました。その方と話しをしていた時に聞いたのですが、カップヌードルには他のカップ麺と違うところがあるそうなのです。それが『パッケージデザイン』。

と言っても、見た目が美味しそうとかそういうことではありません。下の写真をご覧ください。

FullSizeRender

この写真にはおそるべき日清クオリティが写っています。

まず、フタとカップの向き

よーく見てみると、フタの向きとカップの向きが揃っていることがわかります。これって実はけっこうすごいことなんです。なぜなら、向きを揃えるだけでもコストがかかってしまうから。工場で生産をしているときに、向きを揃えるという工程が一つ増えるわけです。向きを揃えるだけじゃん、と思われるかもしれませんがそれがどれだけ大変なことか!このクラスの生産量ともなれば、それなりのサイズの機械が必要ですからそのコストもおそらく安くはありません。

FullSizeRender (1)

ちなみに私もよく食べる赤いきつねはこんな感じ。売上高2位の東洋水産で超メジャーなあの赤いきつねでさえ、向きは揃っていないんです。

IMG_1132

そしてさらにすごいデザインの秘密がこの写真に表れています。これはコンビニの陳列棚の一部ですが、わかりますか?

キレイに一直線のラインが出ていることが!

成分表示の部分が枠で囲ってあるのですが、その部分がキレイに横一列に並んでいます。

「だから何?」と思われましたか?ですが、

・フタとカップの向きが揃っている
・一直線のラインがある

この2つのパッケージデザインにはあるとんでもない秘密があります。

店員が並べやすいのです!

まず一直線のラインがあることで、店員さんが陳列するときはそのラインに沿って並べるだけでOKです。そうすると、自然とキレイな陳列状態が保てます。さらにフタとカップの向きが揃っているために、フタを揃えるだけで正面に”カップヌードル”の表記がくるようになっています。

IMG_1133

(こんな感じに)

こうやって陳列されていると、誰が見てもすぐに「カップヌードルがある」と認識することができます。知らぬ間にその存在を意識させられてしまうんですね。これは本当におそるべきことなんです。

通常、こういった商品は陳列されるときにキレイにするかどうかをあまり気にされることがありません。そりゃ多少は気にはされますが、とりあえず店頭に並べてさえいれば勝手に売れていくからです。

でもそこには、お客様が選ぶかどうかの運命の分かれ目があります。雑然と並んでいる商品は何が何だかよくわからないものもあったりしますが、”カップヌードル”はそのパッケージデザインをもって存在感を示し、お客様の無意識に働きかけているんです。

IMG_1119

(新商品の”カップヌードルリッチ”も同様にフタとカップの向きが揃っているのでこんなにキレイに陳列されています)

IMG_1131

ちなみに同じ日清食品の”どん兵衛”も同じように作られていて、フタとカップの向きが揃っておりフタ部分には直線デザインが含まれています。なので、こちらも陳列されたときにキレイにデザインが見えるようにできています。

FullSizeRender

普段は誰も気にしないこんなに細かい部分にこだわる。でもそのこだわりこそが、店頭で日清食品が数多く並べられており存在感を放つことにつながっているのだと私は解釈しています。

味へのこだわりは当然各社が必死になってやっていることです。そしてその好みも人それぞれですから、どれが好きというのも人によります。私も日清食品の記事を書いておきながら、マルちゃんやスーパーカップが大好物です。

ただ、それでも一言だけ言いたい。

日清すげぇ!

あくまでも商品は店頭に並んでお客様が手に取ってくれることで初めて売れていきます。ただ売れるかどうかを決めるのは、味や品質だけではない多くの条件が絡んできます。

その中の一つである『陳列されたときのデザイン』にここまでこだわりぬいている、計算されている日清食品のすごさに改めて気づかされました。こんな記事を書いていたらお腹が空いてきたので、今夜の夜食にさせてもらおうと思います。

※写真はコンビニオーナーの方にご協力いただいて撮影しました。


販売員のための本気の書籍が発売!

「販売力向上講座」の筆者、坂本りゅういちの初の著作『買った後を想像させれば、誰でもこんなに売れる(同文舘出版)』がついに発売となりました!
洋服・時計・靴・そしてストレッチトレーナーと、様々な販売現場で実績を出してきたノウハウを書き綴っています。

販売ノウハウ本の中でも、比較的ハードな内容になっていますので、本当に売上を上げ続けたいという方のみ、ぜひご覧ください。


ABOUTこの記事をかいた人

接客販売トレーニング&コンサルティング事務所kocori(ここり)代表。 SC接客マイスター1級。 アパレル・時計・靴・リラクゼーション業界など、様々な販売を経験し、売上日本一など数々の実績を残す。kocori設立後は、企業研修・コンサルティング、講演などを中心に活動している。