接客研修、販売員研修にぜひ取り入れてもらいたい『連想力トレーニング』

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連想力は販売員の基礎を作る

『連想ゲーム』というゲームがあります。

もう20年以上前に流行ったバラエティ番組、”マジカル頭脳パワー”の中でも”マジカルバナナ”というゲームがありました。(世代が思いっきりバレますね)

「バナナと言ったら、黄色。黄色と言ったらひまわり。ひまわりと言ったらお花。お花といったら…」

という具合に、あるワードからどんどん連想されるものをリズムに合わせて言っていくゲームです。一見するとただ楽しいだけのように思えるゲームですが、これが販売員にはものすごくタメになるゲームだったりします。

banana

(バナナから連想されるものは…?)

販売員は商品のことをよく知る必要があります。その知識を活かして、接客したり商品陳列(ディスプレイ)したりしてお客様へ魅力を伝えるわけですよね。

その魅力を引き出すためには『連想力』が大事なんです。

なぜだかわかりますか?

例えば、大学生の男性客がストライプのネクタイに興味を持っていたとします。そこでただ興味をもっているからと「ストライプ柄はスタンダードなのでどんな場面でも使いやすいですよ~」としか言えない販売員は連想力がありません。

実際それだけ聞かされたお客様も、ただ使いやすいというくらいにしか感じ取ることはできませんよね。

ここで『連想力』を持っている販売員だと、ちょっと言うことが変わってきます。

”大学生””ストライプ柄のネクタイ”というキーワードから”就活””面接”という連想ができるんです。

そうすると、接客でも「ストライプ柄はスタンダードで引き締まった印象を与えるので、就活や面接のときなんかに人気なんですよ」と伝えることができます。

そう聞かされると、大学生で近いうちに就活や面接を控えている方なら「これがあると助かるかも」「ストライプ柄は持ってないから、一本持っておきたいな」と感じてくれるんですね。

連想ができることで、よりお客様に寄り添った接客ができるようになっていきます。

これはディスプレイ作成なんかでも同じです。

もうすぐGWがありますね。その間には、こどもの日があります。連想力がないディスプレイ担当は、簡単に「こどもの日と言えば兜だから」と折り紙で兜を作ってウインドウに張り付けて終わります。結構こんなディスプレイを街で見かけたことがあるんですけど、安直な上に安っぽ過ぎてかっこよくないんですよねぇ。

連想力がある人だと、兜飾りから帽子に連想がいったりして全然違うディスプレイを作ったりしてくれます。

訪日外国人向けに、日本人形にキャップをかぶせたりして日本の文化を現代風に表したりしてくれると「なんで人形に帽子をかぶせてるんだ?」と不思議に思った外国人が意味を聞いてきたりします。そこで日本の文化を伝えたりもできるわけです。単純に人目も惹きますしね。

販売員だけではなくて、企画職の方なんかにも役に立つ連想力は鍛えておいて損は無いんです。

研修で行なう連想力トレーニング

私が研修や部下の指導をする時には、この『連想力トレーニング』をやってもらうことが多いです。

と言うのも、接客で話しが続かないとかパーソナルな話題ができないという販売員はたいていこの連想力が無いから。お客様からせっかく引き出したワードも連想力が足りないために広げることができないんです。

だから基礎を作るためにも、トレーニングをしてもらいます。

やり方はごくごく簡単です。あるワードを出して、2つ目までただ連想してもらうだけです。

たとえば、”春”というワードを出します。そこから2つ目まで連想してもらう。

・春→桜→お花見

みたいな感じです。めちゃくちゃ簡単でしょう?これをいくつもやってもらうんです。

・春→暖かい→眠くなる
・春→○○→○○

こんな感じでどんどん出してもらいます。

ある程度慣れてきたら、今度は自社商品に絡めた連想をしていってもらいます。たとえばアパレルショップの店員さんだったら、

・春→花柄→ワンピース
・春→衣替え→薄手のジャケット

みたいな連想です。

これがスムーズにどんどん出せるようになってくると、次第に雑談力が上がってきます。接客の中でも会話が簡単に広がっていきますし、商品陳列を考える時にも有効に活用できるようになります。

スーパーの売り場なんかがまさにこの連想力を活用していますよね。

・卵→卵かけごはん→お醤油

と連想ができるから、卵売り場の真横に卵かけごはん専用のお醤油を陳列して手に取ってもらえるようにするわけです。アレはなかなか連想力の良い勉強になりますよ~。

super market

(スーパーやコンビニは連想トレーニングの宝庫)

実際にどんなやり方がいいのかは、みなさんで考えてもらいたいですがぜひ継続してやることをオススメします。これができる人は、どんな仕事でも強いです!

おさらい

・『連想力』があると会話や企画で有効活用できる。
・『連想力』は鍛えれば向上していく。日々のトレーニングを欠かさないこと。

※研修などのお問合せはこちらからどうぞ→販売力向上研修


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ABOUTこの記事をかいた人

接客販売トレーニング&コンサルティング事務所kocori(ここり)代表。 SC接客マイスター1級。 アパレル・時計・靴・リラクゼーション業界など、様々な販売を経験し、売上日本一など数々の実績を残す。kocori設立後は、企業研修・コンサルティング、講演などを中心に活動している。