最初に興味を引くのは
接客や販売について学んでいる人たちは往々にして、「どんなセールストークをすればいいのか」「セットで販売をするための方法はどんなものか」「クロージングでうまくやるコツは?」など、言葉や行動に焦点を当てて勉強しています。
もちろんこういった勉強をすることは大切ですし、接客力や販売力を身に付けることで売上が上がることも事実です。しかしそのためか、言葉や行動だけでお客様の興味を引こうとして肝心なことを忘れてしまっている販売員も多く見受けられます。その前に必要なことを忘れないようにしましょう。
お客様が店の前を通って最初に「この店に入ろうかどうしようか」という判断をするのは、接客力や販売力ではありません。まず最初に興味を引くのは”店構え”です。店頭のディスプレイや店の作りのことですね。
売上を生むための式は非常に簡単です。
売上=客数(販売数)×客単価
この客数(販売数)は来店してくれるお客様が母数になっています。そこから接客をしていかに買ってもらう確率を上げられるかで決まってくるわけです。
いくら販売員の接客が良くても、このディスプレイやパッと見の店の雰囲気がお客様の興味を引かなければ足を止めてもらうことはできません。たとえものすごく接客が良い販売員がいたとしても、店の見た目がダサかったりディスプレイが全く季節に合っていなかったりしていればお客様は店に入ってきてもくれないのです。まず来店してもらえなければ接客をする機会は生まれません。接客をする機会が少ないということは、販売数も上がらないということですね。
だから販売員もディスプレイに関する勉強を怠っていはいけません。「私は接客はできるけど、商品陳列はできないから」という理由で何も店づくりに関心がないのはちょっといただけませんよね。必ず誰かがお客様の足を止めるためのディスプレイ力を持っていなければいけないのです。
それを自分自身が学んで持つのか、得意な販売員が同じ店にいるから任せるのかは店によっての判断になりますが、少なくともディスプレイをおろそかにすることは販売を放棄していることと同じです。まず最初にお客様に店に興味を持ってもらう、足を止めてもらうために必要な知識や経験はどうやって増やしていくのか。そういう考えも売れる販売員になるためには求められます。