【ショップマネージャー必見】覆面調査結果で一番重要視したいポイント

覆面調査って何?

『覆面調査』というものをご存知でしょうか?

『ミステリーショッパー』などとも呼ばれますが、簡単に言ってしまうと、一般のお客様に扮した”覆面調査員”と呼ばれる人たちが、ショップへ行き、そのショップの判定をするものです。

判定には、一般的にS・Q・Cと呼ばれるカテゴリーがあり、

・S…service(サービス) 接客のレベルを図る
・Q…quality(クオリティ) ショップクオリティ(VMDやラインナップも含む)を図る
・C…Cleanliness(クリンリネス) ショップ全体の清潔度を図る

に応じて、調査会社独自の基準が設けてあります。(Q・S・Cと順番が前後する場合もあります)自社で覆面調査を行なっている会社の場合は、その会社での調査基準となりますね。

これが基本的な覆面調査です。

調査会社によっては、この3つのS・Q・Cに加えて、重視するポイントを別項で設けていることも。

これらを総合して判定することで、そのショップのレベルを判断することができるとされ、調査報告書を基に、問題点・課題点を把握したり、逆に強みと呼ばれる部分の発掘をすることもできます。

現場で働く販売員にとっては、厄介だと思われがちですが、しっかりとした覆面調査を行なってくれれば、本当に自店の課題解決につながります。

今この記事をご覧のあなたのショップにも、『覆面調査』が入ったことがあるかもしれません。

覆面調査の結果をどう見るべきか

まず、覆面調査の結果というものは、素直に認めることができるかどうかが重要です。

これはショップマネージャー(店長)だけではなく、現場にいるスタッフ全員の意識の話になります。

というのも、覆面調査の結果が悪いお店に関しては、かなりの確率で

「その時は忙しくて…」
「本当のお客様じゃないから…」
「当たったスタッフが悪かったんですよね…」
「いつもはもっとできているんですよ」

といった言い訳が出てきます。

私も現場で何度も覆面調査を受けているので、気持ちはよくわかるのですが、この意識でいる限りは、ショップは良くなりません。

なぜなら、お客様にとっては、1回の接客が全てだからです。

たまたま運悪くできなかった時があったとしても、お客様からすれば、その1回の接客でしかお店を判断することはできません。これは、覆面調査員に限らず、どんなお客様でも同じことです。

たまたま初めて来店されたお客様に「あまり良くない」と感じられるのであれば、それがそのショップの実力ということになります。厳しいかもしれませんが、これを認めることができなければ、ショップを良くしていくことはできないのです

繰り返しになりますが、まずは覆面調査から出た結果を素直に受け止め、そこからもっと良くしていくために何ができるかを考えられる意識を持ちましょう。

ショップマネージャーが結果で重視すべきポイント

さて、覆面調査の結果に関して、ショップマネージャーが重要視しなければいけないポイントはどこにあるのでしょうか?

もちろん、調査結果が良くなかった部分に関しては、注意しなければいけません。

C(クリンリネス)の部分で、清掃ができていない箇所が見つかっていたりしたら、そこはもう一度清掃の徹底を図る必要があるでしょう。

Q(クオリティ)の部分で、VMDに魅力を感じられないという場合は、ではどんなVMDにすれば、お客様にとって魅力的な売り場になるのかは考えなければいけませんよね。

S(サービス)の項目でも同じです。

質問があまりできていないという評価ならば、スタッフ全員の質問力を上げる工夫がいるでしょうし、提案力や商品知識に問題があるようならば、勉強会を開くなど、接客教育に力を入れることも考えられます。

これらのことは、覆面調査の結果から見れば、とても大事なことなのですが、個人的に、ショップマネージャーが一番重要視すべきだと感じるポイントがあります。

それは、S(サービス)の中の第一印象を占める項目です。

覆面調査の評価には、(調査会社によっても違いますが)

・あいさつができている

・笑顔で応対できている

などの、第一印象を占める項目があります。

この部分の評価は、覆面調査において、とても重要なポイントです。

なぜなら、接客という行為は、すべて第一印象から始まります

たとえその後の接客がどれだけ良かろうと、最初の印象が悪いショップ・販売員は、取り返すのがとても大変です。

「この人愛想悪いな」と思われてしまっては、その後まともに接客をさせてもらえる機会すらやってこない可能性もあります。お客様によっては、愛想の悪い雰囲気だけを見て、店の前を素通りするわけですから、それがそのまま店の印象として焼きついてしまうわけです。こうなってしまっては、知らぬ間に未来のお客様を失いかねません。

だから、『第一印象』が、いかに印象良くできているかをチェックする必要があります。

普段から、第一印象に関して教育ができているマネージャーならば、覆面調査の結果でも、まず評価を落とすことはありません。

しかし、もし、調査結果で第一印象の部分が低評価を受けてしまっていたら、これは早急に改善が求められます。

他のどんなこともよりも、優先して修正をしなければいけない部分なんですね。

お客様目線で見たとき、これ以外の部分に関しては、第一印象がきちんとできていてはじめて、評価の対象になりえます。そもそもの印象が悪ければ、ショップに入ることもないし、接客を受けることもないからです。VMDに惹かれて入店してくれても、最初の第一声や、表情に悪印象を持たれてしまったら、お買い上げにはつながりません。万が一、その場では買ってくれても、リピートしてくれることはないでしょう。

直近のあなたのショップの覆面調査結果をご覧になってください。

『第一印象』を占める調査項目の結果はいかがでしょうか?

もし良くないとしたら、これからどんなことをして、調査結果を上げていきますか?


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ABOUTこの記事をかいた人

接客販売トレーニング&コンサルティング事務所kocori(ここり)代表。 SC接客マイスター1級。 アパレル・時計・靴・リラクゼーション業界など、様々な販売を経験し、売上日本一など数々の実績を残す。kocori設立後は、企業研修・コンサルティング、講演などを中心に活動している。