”売らない勇気”本当にお客様のためになりますか?

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商品を売ることだけが販売員の仕事ではない

接客販売員は毎日たくさんのお客様に出会って、商品を販売していきます。

売り上げを上げて会社の利益を生み出すことが第一の使命ですから、どうやって商品を売るのか、どうやってお客様に愛してもらうのかを考えて日々悪戦苦闘しながらも頑張っているはずです。

ですが、この頑張りが時としてお客様に不利益を与えてしまうことがあります。

 

例えばどう考えてもお客様に合わないサイズの靴があったとします。

他に代替商品もなく、もう本当にそれしかない。お客様は買おうかどうか悩んでいますが、売り上げを上げなければいけないという使命感から色んなトークを駆使してその商品を販売できました。

果たしてこれは本当にお客様にとって良いことなのでしょうか?

 

商品を販売できた時点で売り上げは立ちます。ですから会社の利益になるでしょう。

ですが、お客様はサイズの合わない靴を購入しているのです。

サイズが合わないからと言って、履けないわけではありません。無理をすればなんとか履けます。しかし、お客様の足を痛めてしまうかもしれません。貴重なお金を出してもらってそんな結果で良いのでしょうか。

 

売らない勇気

こんな時に販売員に必要なのは”売らない勇気”を持つことです。

何より最優先に考えるべきことは『お客様の利益』なんです。

自社の商品ではどうしようもないという状況にあって、無理に商品を奨めるのではなく違う方法を探す。他社の商品で提案できるものがあるかもしれません。今回はあきらめて次のシーズンで提案できるものが出てくるかもしれません。

そうすることでお客様はサイズの合わない無理な靴を購入するという不利益を避けることができます。

ここで「自分の会社でなく、他者に利益がいってしまう」という考えになる人は正直お客様を接客するレベルにありません。そんな考えは詐欺師と変わらないんです。

 

”肉を切らせて骨を断つ”という言葉がありますね。

少し物騒な例えですが、ここで多少売り上げが上がらないからと言って悲観する必要はないんです。本当にお客様のためを思って取った行動は必ずお客様に伝わります。

 

ある話を紹介します。日本一有名な百貨店に入っているミラノ発の洋服店の話です。

お客様がイタリア旅行をするために、ニットを探していらっしゃいました。その方はどうしてもそのニットが欲しかったのですが、日本ではすでに取り扱っていません。どの店にも在庫が残っていなかったのです。

その時に接客をしていた販売員が取った行動は、すごいものでした。

イタリアに行くことを聞いていたその販売員はミラノの本店にすぐに連絡をしてそのニットを取り置きするようにお願いしたのです。この時点でその店舗、その販売員の売上にはなりません。しかし、そんなことを物ともせずにお客様の願いを最優先に考えたんですね。

お客様は無事に連絡の入っていたミラノの本店でそのニットを購入されて旅行を楽しんだと言います。

その後、お客様が旅行先から戻られもう一度来店されました。

その時にお客様はこう言ったそうです。

「この間はありがとう。おかげでミラノで欲しかったニットが手に入りました。だけど今後、私はこの店でだけ洋服を買います。」と。

 

 

その瞬間の売り上げは大切です。売り上げが上がらなければ企業は立ちいかないのですから。

ですが、”目先の利益”を取るのが正しいわけではありません。

本当に大事なのは、”お客様の利益”。それをしっかり理解している人には生涯を通しての顧客がついてくれます。

そんな販売員なら目先の利益を取らずとも勝手に売り上げはついてきます。