
接客販売の世界は人間だけのものではなくなる
【SENSY(センシー)】というアプリをご存知でしょうか?
iphoneを使用している女性ならすでに使っている方もいるかもしれませんが、人工知能がユーザーの好みを判別して自動的に洋服のコーディネートをしてくれるというアプリです。コーディネートされたアイテムはその場で通販サイトに飛べるようになっていて、購入ができるというもの。
さらにすごいのは有名なモデルさんなどの人工知能も有していて、その人工知能を借りて洋服を選んでくれる機能まであるそう。これを使えば憧れのモデルが着そうな洋服までアプリが選んで自分に合わせてコーディネートをしてくれるのです。
カラフル・ボードという企業が慶應義塾大学、千葉大学と共同開発したこのアプリ。
ここまでなら今までにも似たようなアプリはあったのですが、ここからが本題。
なんと、3月5日~3月10日まで新宿のTHE EMPORIUM(ジ・エンポリアム)というレディースファッションの店に設置され接客をしているというのです。
人工知能のコンピューターですから安定した接客力と慢性的な人材不足を解消してくれるこのシステム。
実際には”SENSY”がインストールされたタブレット端末を利用して、好みのアイテムを抽出してくれるというやり方らしいのですが、これはすごい話。
今まで販売員が持っている知識やセンスをお客様とすり合わせて選んでいた洋服を、人間ではないコンピューターがやっているわけです。
「販売員に話しかけられるのが嫌だ」とか「煩わしい」というお客様にとっては朗報かもしれません。
人工知能の進化で接客に人間が必要なくなる?
この”SENSY”のように人工知能がもっと進化していけば、極端な話、店舗で接客をする販売員の不要論が出てくる可能性もあります。
一度使ってみて、アプリの方が良いと感じる人がいればわざわざ店に買い物に行く必要もなく家でネットを通じて買い物も可能。すでに今現在ZOZOTOWNなどのネット通販が隆盛を誇っている状況ではそんな未来もそう遠くは無いのかもしれません。今は洋服の話だけですが、他の小売業も同じような未来になるはず。Amazonなんかを見ているとなんとなく想像もつきますよね。
ですが、個人的な意見を言わせてもらうと、人が接客をする意味は無くならないと踏んでいます。
接客には、人間でないとできない良さというものがあります。それは洋服のコーディネートだけではない販売員とお客様とのつながりとでも言えるものです。
お客様が自分では知りえない部分や、人間だけが持つ感情的な部分。良い接客を受けた時に感じる感動というものはコンピューターが生み出すことは今後も無いはずです。人間性とでも言うのでしょうか。
お客様も人間ですから当然接客を嫌がる方もいます。そういった方のためにも、”SENSY”のようなアプリケーションやネット通販が存在するのは、非常に良いこと。
それが今までの接客販売員と合わさることによって、お客様側がより自由にショッピングをできる環境が生まれてくるのかもしれません。
今後、こういったアプリや人工知能が当たり前になった時にわれわれ接客販売員はどんなことをお客様に提供できるのか今の内から考えてみましょう。そこにお客様にもっと愛される販売員の道があるはずです。