接客販売に関する仕事をしている人たちが考えていること。
同世代の仕事意識を知ることや、マネジメントに関するヒントも見つかるかもしれません。
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今回は写真館でプロカメラマンとして働いているKさん。
現在入社6年目で、写真館のスタジオではプロカメラマンでもある社長のアシスタント、また野外撮影(幼稚園などの遠足に同行して撮影)などを担当されているそうです。
カメラマンと言うと、接客は関係なさそうに思われますが写真という商品を撮る際にお客様と接する機会が多いのです。そういった部分も含めてお話を伺います。
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話をすると心が伝わる
坂本(以下坂):仕事をはじめたきっかけは何ですか?
Kさん(以下K):単純に写真が好きだったからです。写真が好きになった理由は学生時代にインスタントカメラで撮っていた写真を母親がすごく褒めてくれたことです(笑)。それが段々と効いてきて、何をしたいかと考えたときに写真が好きだなという思考回路になっていました。
坂:カメラマンの仕事は楽しいですか?
K:楽しいですね。入れ替わりの激しいハードな仕事ですけど、お客様と話すときの楽しさがあります。幼稚園では若い先生方が多いのでそういう方々を引っ張るような形の関わり方もありますし、証明写真を撮ることも多いのですが、面接用の写真を撮りに来た子たちの未来の話を聞いているのが楽しいです。
坂:お客様に接する機会は接客というよりも話をするような感覚なのでしょうか?
K:撮影前に話をするとお客様の表情が変わります。接客と思ってやってはいないのですが、話をした方が心が伝わる到達点が近いです。
坂:話をしている時に気を付けていることやこだわりはありますか?
K:お客様の年齢が幅広いので、あまり仰々しい敬語を使うのは避けています。相手にもよりますが、距離感を感じてしまうので。~でございます、みたいな言葉を自分が使っても相手が違和感を感じるので、その人の目線で自分がどう見えているのかを考えながら。若い人に偉そうなことは言わないようにするし、年上なら話を聞くようにします。そんな中でちょっとしたアドバイスをするといいですね。
坂:お客様との関わりの中での楽しさや喜びはどんなところにあるのでしょうか?
K:幼稚園の子が小学生になってお兄ちゃんになっていく過程や、大学生の子たちが未来や夢を語って旅立つ姿はいいですね。人が生まれた、結婚した、亡くなったという大事な時に携われる仕事はなかなか少ないですから、そういった時にカメラマンというのはすごくいい仕事なんだと感じます。
坂:今後の目標は何ですか?
K:写真がもっとうまくなりたいです。練習して考えてやっている中で、写真がうまくなれば結局お客様が喜んでくれるから。
坂:辛い時などに何かストレス解消などはされていますか?
K:プライベートで写真を撮りに出かけます。イライラしている時などは好きなものを撮りに出かけます。そこで人と話すことが楽しいです。外に出れば仕事とは違う人がいますからね。
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ご自身がお客様の時のことを伺いました。
坂:買い物に行ったときに店員に対して気になることはありますか?
K:けっこう店員を選びますね。スーパーなどでも「この人は間違いない」という人もいますから。
坂:理想的な店員像のようなものはありますか?
K:話しかけてくれる時もあれば、放っておいてくれる時もある人がいいです。状況を見極めてくれるような。以前、美容師の方で話の内容が幅広くなかったり下世話な話をしてくる人がいましたが、段々テンションが下がりました。自分(お客様)に合わせてくれる人がいいですね。