接客販売に関する仕事をしている人たちが考えていること。
同世代の仕事意識を知ることや、マネジメントに関するヒントも見つかるかもしれません。
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今回は百貨店で婦人靴販売員として働いているSさん。
大学を卒業してから、現在入社1年目。この四月から2年目ということで後輩もできるそうです。まだ若手の販売員ですが、このくらいの時期にどんなことを考えて仕事に励んでいるのか伺ってみました。
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お客様にとっては1人の販売員
坂本(以下坂):百貨店で働こうと思ったきっかけはなんですか?
Sさん(以下S):おばあちゃんとかお母さんとかお孫さんまで世代を超えて買い物ができるところだからです。私は結構おばあちゃん子だったんですけど、昔一緒に百貨店に買い物に行くのが楽しくて、そういう育った環境があったからだと思います。私の中で買い物をする場というのが百貨店でした。
坂:もうすぐ2年目に入るということですが、実際販売の仕事をしてみてどうですか?
S:大変です。毎回お客様は違うし、わからないことが多くて。
坂:どんなことが大変ですか?
S:一番は「歩きやすい靴ありますか?」とか聞かれた時です。ある程度要望があれば提案しやすいんですけど…どこから入ればいいのかなと思うことはあります。
坂:接客自体は楽しいですか?
S:楽しいですよ。いろんな話が聞けるのが楽しいです。年配の方と話すのも好きなんですけど、旅行の話から犬の散歩の話まで話をしていると嫌なことなんかも忘れられるんです。その時間は何も考えずに「この人のために何ができるのかな」って考えられるので。
坂:お客様と接していて嬉しかったことはありましたか?
S:梅雨時期に雨靴を買いに来られる方がすごく多かったんですが、その時に接客して買ってくれた方がいたんです。その方が冬のスノーブーツを買いにまた来店されたんですが、「あの時のお姉さんよね」と言ってまた買っていってくれました。そしてまた最近来店されて接客をさせてもらえたんです。
自分としては梅雨時すごく忙しくて何十人も接客した中の1人だったのに、そのお客様にとっては1人の販売員だったんだなと思いました。これからはそういう人が1人でも増えればいいなと思ってやっています。
坂:接客の中で気を付けていることはありますか?
S:「スピード」ですかね。お客様のスピードはおばあちゃんもいれば、すごく急いでいる人おじさんもいるので、自分がいつも同じスピードで行動するのはダメだなと思います。お客様を見極めて合わせながらも、周りの状況を見ることにはすごく気を遣います。
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話の中で接客にハマる瞬間の話にもなりました。若手販売員はどんなことで頑張ろうと思えるのか?
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坂:接客にハマる瞬間なんかはありましたか?私は昔上司に認めてもらえたことがかなり効いているのですが、そういうことに関してはどうでしょう。
S:ハマる瞬間みたいなことはまだわからないですけど、認められるとさらに頑張ろうという気にもなるし、仕事も任せてもらえる。良い循環が生まれてチャンスが増えていく気がします。
坂:今後はどうなっていきたいですか?
S:接客を続けていきたいとは思います。役職が付くと自分で考えて仕事をすることも増えて楽しいと思うんですが、現場で接客をする機会が減るので難しいところです。
少し話は違うんですが、マネジメントをする人がお客様のことを知らないままやっていることがあるとどうなのかな、と感じます。本当にお客様のことが見えているのかなと思うこともあります。逆に現場から上がっていった人の話だとすんなり入ってくることが多いです。
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いかがでしたでしょうか。
若手販売員同士なら「わかるなぁ」と言うようなこともあるかもしれません。逆にマネジメントする側にいる人にとっては、結構ドキッとするような話もあります。
是非参考にしてみてください。