現役販売員のあなたが今考えておくべきこと。販売業界のこれからと、あなたの人生のこれから。

販売業界の今

*この記事では、個人的に今感じていること、思っていることをただただつらつらと書いています。なかなかの長文な上に、取り留めのない文章なので、興味のある方だけ読んでもらえればと思います。

こんにちは、坂本りゅういちです。

記事を書いている5月21日現在、コロナだ、COVID-19だ、緊急事態宣言だ、なんだかんだんと言われ続けて、もうだいぶ時間が経ちましたが、今もまだ、店舗が空いておらず、お店で接客ができない状態にある販売員の方は少なくないですね。

現役販売員の方は、今、どんなことを考えているでしょうか。

お店に戻って早く接客したいという気持ちの人もいるでしょうが、まだまだ感染症が怖いという人もいるとは思います。

そんな中、各社(各ショップや商業施設)は、感染症対策を万全にと謳いながら、営業再開を進めています。

さて、販売業界全体に目を向けてみると、現状はかなりまずいと言わざるを得ない状態です。

小売全体で見ると、スーパーやドラッグストア、ホームセンターなどでは、特需と呼べるような状況が生まれていて、売上が上がっているところもあります。

しかし、アパレルやそれに付随する多くの企業では、売上が大きく下がっており、SCや百貨店・その他ディベロッパーも大赤字です。(営業ができなかったのですから当然ですが)

このところは、続々と倒産の話も聞こえてきていて、今この記事をご覧になっている方の中にも、戦々恐々という人もいるのかもしれません。

もとに戻ることはあるのか?

こうなってくると、やっぱり現場の販売員として思うところは、「以前と同じように戻れるのか?」というところでしょう。

現在のコロナ騒動が落ち着いたら、これまで通りのお店や販売ができる状態に戻れるのかということですね。

これについてはまだ誰もわからないところではありますが、少なくとも、すぐに以前と同じような状態に戻るかと言われれば、まず難しいのが現実でしょう。

特効薬ができるまでにはまだ時間がかかると言われていますし、何より、消費者(お客様)の買い方や消費のマインド自体が大きく変化を遂げています。

個人的には、「店で買い物をする」という欲求は少なからず人は持っていると思っているので、もとに近い状態に戻る日はいずれ来るとは考えていますが、それにしたって、完全に戻るとは思えません。

オンライン接客が急速に進化している今、お客様もWEBを通した消費に慣れ始めている今からでは、今後、店舗の比重が下がるのは間違いなく、店舗に投資を続けられる企業はそう多くはないでしょう。

キリがないので書ききれませんが、いろんな角度から考えても、元通りの世界に販売業界が戻るとは考えにくいわけです。

前置きが長くなりましたが、だからこそ、今、販売員として何を考え、何に備えるべきかを理解しておかないと、非常に危険な状態であると言えます。

販売という職そのものを続けられなくなるかもしれませんし、今後の人生が良いものになるのか、それともそうではなくなるのかが、大きく変化してしまうことになるからです。

今、販売員として考えておくべきこと

まず、今後について考えてみましょう。

1. 店が減る

以前から言われ続けていましたが、店の数(特にアパレル系)は減っていくとされていました。消費者が店舗で買うことが減り、ECを通して買い物をすることが増えていく中で、店舗の売上が上がりにくくなるため、コストをかけられないのが現実だからです。

ただそれが、今後数ヶ月から、数年ほどの間で、急激に加速する可能性が高くなっています。

現時点で、すでに店舗を保たせられない企業が増えている中では、採算の取れない店舗を継続することは困難ですから、店を閉めざるを得ません。

今回の件で、多くの在庫を抱えることがどれだけ大きいリスクになるかを痛感している企業も増えているため、店舗の在庫が少なくなることも考えられます。(というか仕入れるためのお金がなくなっていることもある)

その分、店に回せる商品も減るのですから、やはりさらに店舗を広げるというスタンスは取りにくいわけです。

2. 人を抱えられなくなる

店が減り、販売員というリソースだけが残る状態になる。

これはつまり、企業としてはコストとリスクしか残らない状態になります。(抱えている販売員は人件費のかかる固定費になりますからね)

だから、そこで働いていたはずの販売員はどうなるかと言えば、能力のある人材以外は抱えていられなくなります。

平たく言えば、クビになるということです。

3. 能力の高い人との入れ替えが起こる

そしてもっと言えば、企業に残れた人でも、まだまだリスクはあります。他の企業から溢れてしまった能力の高い販売員との入れ替えが起こる可能性もあるからです。

企業としては当然、雇っている販売員は、優秀な人材であればあるほど助かります。同じコストがかかるなら、より生産性や売上を上げてくれる人を採用するのは当然のことです。

つまり、企業に残れていても、他の優秀な人材に取って代わられてしまう恐れがあります。

これまでもこうしたことは当たり前だったのですが、企業にも余裕が無くなっている今、そしてこれから先は、よりシビアになってしまうということですね。

ずいぶん、暗い感じの話になってしまいましたが、これでもまだ最悪の想定ではありません。

会社が倒産してしまえば、こんな話は抜きにして職を失いますし、今すぐ同じように販売業で再就職をしようと思っても、とても大変なわけです。

これらの前提があるとした上で、じゃあ今、販売員が考えておくべきことは何か?という話をしましょう。

ポイントは大きく2つです。

  1. 店舗で求められる能力を上げる
  2. 新たに求められることの能力を上げる

販売員は、この2つにこれまで以上に強い意識で向き合う必要があります。

1  店舗で求められる能力

店舗で求められる能力は、これまで通りと言えばこれまで通りです。

ただ、その質をどれだけ高められるかというところが焦点になります。当然のごとく、店舗で求められる最もわかりやすい能力は、売上に関することです。

・多くのお客様に販売できる能力

・多くの顧客を持てる(集められる)能力

・一客あたりの売り上げ金額を高められる能力

特にこの辺りが中心になってきます。

誰にでも販売ができて、顧客も多くて、しかも客単価まで高い。そんな販売員がいれば最強ですが、よりそれに近い人ほど、求められる人材であるということになります。

これまでは、たとえ売れなくても、人員不足で雇われていた販売員も、これから先は、人員不足で売り上げも上がらない店はどんどん無くなっていきます。ですから、こうした当たり前すぎるほどに求められる能力をいかに高められるかが、勝負になってくるわけです。

もちろん、売上に関することだけではなく、人材育成のスペシャリストであるなど、マネジメントに関わる能力の高い人も引き合いがあります。

自分で売る能力か、チームで売る能力の高さが必須ということですね。

2  新たに求められることの能力

一方、新たに求められることになる能力とはどんなものでしょうか。

もっともイメージがしやすいのは、やはりオンライン接客でしょう。

オンライン接客にも種類があって、基本的には、チャットなどを使う文字情報のタイプと、動画ツール(ZOOMなど)を使う視覚情報も含まれるタイプとがあります。

特に、後者の場合は、現場でお客様を接客していた販売員には強みを活かせるツールですから、入りやすく効果も上げやすいと言えるかもしれません。ただその分、チャットと比べると、かかる時間やツールの導入のコストや労力もあるので、務める企業がどの選択をするかという話もそもそも存在しています。

いずれにしても、PCをはじめとした、デジタルツールを使いこなす能力が必須になるので、接客力だけではない能力が求められることにもなります。

また、SNSなどを通じた発信力も今後はより求められてくるでしょう。

現場の販売員に集客力があるというのは、本来のビジネス的に考えると、非常に危険なことではあります。(その販売員がいなくなれば売上が落ちるので、店やブランドに集客力をつけるのが本来)

ですが、現代のマーケティングを考える時には、特にアパレルショップのような業態の場合は、販売員のインフルエンサーとしての能力は欠かせなくなってきているので、やはりこうした部分の発信力を持っていると、重宝されやすくなっています。

「新たに」というほどではありませんが、これまで以上に求められる質が高まるということは、共通している話ですね。

結論は「ボーッとしてると人生詰むよ」という話

長々と書いてきましたが、結論はこれです。

書ききれないほどいろんな理由がある中で、販売員の今後は、大きく2つに分かれます。

「生き残るか」「生き残れないか」です。

正直な話が、販売員という仕事自体が、今後は本当に弱肉強食の世界に突入すると思っています。

「ただ好きだから」というだけで、能力がない人も、働き口がないわけではもちろんありませんが、給料はなかなか上がらず、会社からの評価も受けにくくなるでしょう。それを生き残れたと捉えるかは人によるところではありますが、あまりポジティブな印象は受けないように思います。

というか、今これだけ時代が変化している中で、考えようによっては、新しい何かの第一人者になることだって可能なわけです。

自社の中で、「これができる人まだいないよね」というものを見つけ出し、そこで強くなることができれば、それだけ企業側としては働いてもらいたい人材になることができます。

例えば、オンライン接客ができる人になるために、今のうちに学ぶことができれば、極論、店頭の販売員という仕事自体が無くなったとしても、全然別のところで力を発揮することができるかもしれません。(B2Cの営業分野とかなら引く手数多でしょう)

販売員を続けるにしても、そうでないにしても、優秀な人材であるための能力を身につけるための行動は、絶対に欠かせないことなんです。

なので改めて、今何をします?ってことですね。

リアルな話、会社から課されるワークを待っているだけでは足りません。

店が営業再開して、前と同じように(同じではないけど)接客をしているだけも足りません。

それらにプラスして、きちんと目的を持った行動が求められています。

販売員個人で、情報発信をバンバンやっているような人も増えてきています。それもまた、自分の能力を上げるため、そして、その先の目的を見据えた行動の一つです。

動きましょう。

取り止めのない文章になってしまいましたが、ちょっと今伝えたいことだったので書いてしまいました。

駄文を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


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ABOUTこの記事をかいた人

接客販売トレーニング&コンサルティング事務所kocori(ここり)代表。 SC接客マイスター1級。 アパレル・時計・靴・リラクゼーション業界など、様々な販売を経験し、売上日本一など数々の実績を残す。kocori設立後は、企業研修・コンサルティング、講演などを中心に活動している。