販売員と資格の関係

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資格の種類は沢山あるけれど…

ご存知のように『資格』というものは、世の中に信じられないほどの種類が存在しています。この資格が無ければ就けない職(弁護士や医師なんかはその代名詞ですね)もありますが、持っていれば多少就職が有利になったり給与面で優遇されたりするというような資格もあります。一般的な認知度は高くはありませんが、接客販売に携わる人たちに向けた資格というものも存在します。

ざっと例を挙げてみると

・販売士(商工会議所)

・ファッション販売能力検定(日本ファッション教育振興協会)

・ファッションビジネス能力検定(日本ファッション教育振興協会)

などの販売スキルやビジネススキルを目的としたものや

・色彩検定(社団法人全国服飾教育者連合会)

・カラーコーディネーター検定(商工会議所)

など、接客販売に役立つようなものもあります。業務に関わりのあるという点で見るならば、簿記や会計、パソコン業務に関する資格も当てはまってきます。この他にも、様々な団体が独自に検定を行っていたり、自社資格を持っていたりすることもありますね。

さて、こんなに多くの資格や検定があるのですが、問題は実際の業務でどれだけ有効に活かせるかということです。

資格を持つメリットは?

実は私も以前からこういった資格があることは知っていたのですが、上記したような資格は何も持っていません。と言うよりも、こういった資格を持った人に出会ったことがありません。(大昔に1人いたような気もしますが、その程度のレベルです)理由はすごくシンプルで、持っていて何かに有利に働くというメリットがあまり感じられないから。

資格試験や検定試験の内容について調べたことがありますが、内容自体はすごく業務に役に立つと思います。業界に必要なビジネススキルを身につけたり、基本の用語や知識を学ぶこともできます。ただ、そういったことは実際の業務で学べるんですよね。

別の意見で就職などに有利に働くという意見もありますが、接客販売業の場合見られるのは実績と人柄です。単純に笑顔がステキだったり、これまでに何かで売上を上げた実績を持っている人の方が圧倒的に有利です。資格を持っていても人間的に問題がある人は当然ダメですから。

ここまで書いていて、一部の人たちにものすごく怒られそうな内容になってきている気がしていますが、でもまぁ実際はそんなものです。

とは言っても、持っていることで有利に働く場合も当然あります。

大きな企業だったり、従業員数が多いところだったりすると状況が変わるのです。これは”マネジメント側に立つ”機会が生まれてくるため。

販売士などは経営戦略などを学んで自分のものにすることができる資格でもあるので、普通に接客販売をしているだけではなかなか身につけられないスキルを手にすることもできます。一部の大手小売業では、昇格の条件に資格や検定を持っている必要がある会社もあると聞きます。こういった職を目指す人のように明確な理由があるのであれば、必要なものになってきます。

でもぶっちゃけた話が、若い人たちなんかで「資格を持っていた方がいいかな?」くらいの感覚であればどこかのショップにアルバイトで働いた方が10倍勉強になります。個人的に、実践せずに座学だけで学ぶことほど仕事において無駄な時間は無いと思っていますから。私が経営者だったら、「100時間勉強して資格を取りました」という人より「一か月で500万円売りました」とか「アルバイトですが、3年間接客経験があります」という人を採用したいですし、信頼してしまいます。

資格というのはことわざで言う『鬼に金棒』の金棒みたいなものです。本当に実力がある人が資格を持っていればまさに敵無しというところですが、ガリガリで筋肉の無い人が金棒を持っていても有効に使えることはありません。まずは基礎体力をつけないと意味が無いわけです。

業界独自の資格は別の話

ただ、それぞれの業界独自の資格はちょっと話が変わります。例えば、時計屋ならば時計修理技能士とか、靴屋ならシューフィッターとか。そういった業界独自の資格に関しては、それに関わる知識とお客様の信頼を得られるという面で取得しているとメリットの方が圧倒的に大きいです。

あとはマナー関係の資格ですね。接客業において、対人マナーはとても重要ですからこの資格や検定に関しては持っていて損はないと思います。

無意味に何でもかんでもやろうとするのではなく、自分に必要な資格をしっかり見極めて必要であれば取得に向けて頑張ることは良いことです。

 

最後に、今存在している資格もいいとは思うのですが、どうせならもっと実践的な資格や検定が出てきてくれないかなと思っています。「この資格を持っているということは、あなたは売れる販売員なんですね」というくらいのわかりやすい資格があれば倍率が高くても誰だって欲しくなりますし、頑張りますよね。販売員の地位向上を考えれば、こんな資格も必要じゃないかと。将来的に賛同してくれる人が増えて作れればいいなぁとずっと考えています。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

接客販売トレーニング&コンサルティング事務所kocori(ここり)代表。 SC接客マイスター1級。 アパレル・時計・靴・リラクゼーション業界など、様々な販売を経験し、売上日本一など数々の実績を残す。kocori設立後は、企業研修・コンサルティング、講演などを中心に活動している。