”経験”か”教育”か

 

数字に強くなる向上講座

どっちも必要な要素

人が成長するために欠かせないこと、それが”経験”

小さな子供は毎日の生活の中で、たくさんの経験を重ねて成長していきますよね。その経験をもとにして、何をどうすればいいのかを判断できるようになっていく。褒められた経験、怒られた経験、苦労した経験、楽しかった経験、どんなことでもこの経験が多ければ多いほど人は成長していきます。

でも、経験には絶対に必要なものがある。それは『時間』です。

『10年間接客の仕事をしてきた』って経験の中で積み重ねていくものはそれだけ価値がある。でも、それにはどうやっても10年もの時間がかかっちゃいます。絶対にどんな人だって、かかる時間は変わらないわけですよ。

そこで活きてくるのが、”教育”

全くのゼロの状態から接客を始めたとして、完全に経験だけに頼ってたら信じられないくらいの時間がかかってしまう。毎日、試行錯誤を繰り返しながら、「あーでもない、こーでもない」ってやっていくのは大事なんだけど、途方もない労力ですよね。

けれど、そこに上司や先輩の”教育”が入ってくれば一気に話は変わってきちゃいます。

すでに経験してきた人たちからの”教育”(言葉や、ノウハウ)を受けることができれば、少なくとも同じ失敗体験を繰り返すことは減ります。

成功した経験を”教育”として教えてもらうことができれば、同じように成功する確率も上げることができます。

さらに加えて”経験”を積み重ねていくことで、成長曲線はどんどん上昇していくもんです。

”経験”だけに頼ると、積み重ねていくものは貴重なものにはなるけれどとにかく時間がかかってしまう。

”教育”だけに頼ると、より成功しやすい方法を得ることはできるけど、肝心の体験がないから机上の空論に終わってしまう。

(まぁどっちかだけしかないってことは人生ではまず無いんですけど)

そうならないためには、”経験”と”教育”を同時に進行させていってどっちも体験していくことが大事。そうすれば、同じ時間をかけても、片方だけでは得られない成長を得ることが可能になるからです。

”経験”も”教育”もどちらとも、なくてはならないものってことですね。

なのに接客の現場では”教育”が少ない!

こうやって書いてはいるものの、私の経験から言うと、接客の現場で”教育”を受けることがとにかく少ない!

これまでに経験したどんな会社でも、最初にちょちょっと概要だけつまんでそのまま店頭に放り出される。「まぁとにかくやってみて」と言われてわけがわからないまま、右往左往することになるんです。

それでも、何年もやってきた経験があるからやってこれました。とは言え、最初の最初は本当に大変でしたよ。だって何もわからないんですから。

「笑顔でいろ」なんて言われても、どんな笑顔でいればいいのかわからない。「お客様に声をかけろ」と言われても、どうやって声をかければいいのかわからない。しまいには「もっと売れ」なんて言われるわけですが、もっと売る方法なんてまだ知らないよって話ですよ。

だから考えに考えて何とか成長してきたんですけど、それなら最初から”教育”すればいいんじゃないかと思うわけです。

だって”教育”を受けたスタッフなら、失敗する確率が減ります。成功する確率は上がります。その中で、自分なりに同じ時間をかけて成長していくんです。

ゼロから同じ時間をかけて100まで成長するのと、教育を受けながら成長することで150まで成長するのとだったら絶対後者の方がいいと思いません?本人にとっても会社にとってもきっとその方がいいです。私が店長だったら、150まで成長してくれるスタッフが欲しいですもの。

だからこそ、もっともっと従業員教育をしてくれ!と声を大にして言いたいです。(もう言ってる)

確かに従業員教育をやるのに抵抗があるのはわかります。

研修をするにしても、店のスタッフを集めるのも大変だし時間もかかる。何よりお金もそれなりにかかっちゃうわけです。会社としては従業員教育のために使うお金は相当な負担です。ましてや、教育した従業員が辞めていった日にはそれはもう泣くに泣けないもんです。(接客サービス業の離職率はそれなりに高いですからね)

でも、何回も言いますがだからこそなんです。

きちんとした教育を受けた販売員は、やっぱり接客力も販売力も上がりますから多くの顧客を抱えることができます。当然売上も上がっていく。

そうすると、売っているだけに周りからのプレッシャーにさらされることも減っていきます。顧客も多くて、求められることも増えるだけに仕事そのものも楽しくなっていきます。売上を上げてくれるんですから、会社からの評価もどんどん上がっていきますよね。結果、待遇も良くなるんですから離職する確率も減っていくんです。

こういうスタッフがどんどん増えていけば、スタッフ間のコミュニケーションも確実に良くなっていきます。極端に言っちゃいますけど、みんなうまくいっている人たちばっかりだったらそうそう陰口の叩き合いなんて起きないもんです。

ぶっちゃけた話、会社としては新人を雇うことに投資するよりも、既存スタッフが成長してくれて売上を上げてくれた方が嬉しくありませんか?経理的にも雇うたびに離職されて新規雇用に財政を圧迫されるより、定期的に研修費用として計上される数字の何倍も売上を上げてくれるスタッフが増えたら、その方がいいですよね。

もちろん教育の質にもよりますよ。

教育のつもりで接客ロープレでダメ出しばっかりされている人は、絶対荒みます。経験上、私がそうでしたから(笑)。そうじゃなくて、その人それぞれの良さを引き出す正しい教育をきちんと受けさせてあげることができれば確実にうまくいきます。

同じ接客ロープレでも正しい形でやること、同じ研修でも話を聞いて満足するんじゃなくて実践につながる研修をやること、その積み重ねで教育を受けることが当たり前になって全員がちゃんと取り組む姿勢を持つようになればきっと無駄なお金を使うことは無くなります。

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ABOUTこの記事をかいた人

接客販売トレーニング&コンサルティング事務所kocori(ここり)代表。 SC接客マイスター1級。 アパレル・時計・靴・リラクゼーション業界など、様々な販売を経験し、売上日本一など数々の実績を残す。kocori設立後は、企業研修・コンサルティング、講演などを中心に活動している。