接客販売を突き詰めると必ず”ここ”に行き着くんです

こんにちは、坂本りゅういちです。

たとえば「会話力を上げたい」という販売員の方がいます。

お客様ともっと会話ができるようになれば、顧客も増えるし売上も上がるだろうという理由からです。

人によっては、もっと普通に接客ができるようになりたいといった理由もあるのかもしれません。

こうした販売員がいた時に、研修講師などをやっていると、「どうすれば会話力が上がりますか?」と尋ねられることがあります。

しかしさらによくよく話を聞いてみると、実際には、

・「接客中にもっとお客様のニーズを聞ける技術が欲しい」

・「もっとお客様に話してもらえるような会話のテクニックを教えてもらいたい」

といった理由だったりします。

要は、会話力そのものというよりも、会話が続くようになるためのテクニックを求めていることが多いんですね。

これらの技術が欲しい気持ちもわかりますし、数ある書籍や何やで会話テクニックについて見知っているからこそというのもわかります。

でも、じゃあその人たちがテクニックを知ったからといってうまくいくかと言うと、やっぱりそうでもありません。

接客の様子を見ていたり、普通に会話をしている様子を見るとそれは一目瞭然です。

お客様をはじめとした他人と話していると、あいづちもちゃんと出ていない、表情も変わらない、身体の動きも無い。

これではたとえ会話術のようなものを知ったところで、会話はうまくいかないのです。

根本的な聞く・話すという前提になる部分が整っていないのですから、そこに上辺を乗っけたところで意味がありません。

これってショートケーキのようなものです。

表面上のデコレーションがいくら綺麗でも、土台となるスポンジがボロボロだったり、味が美味しくなければ意味がありません。

お飾りとしてデコレーションだけで騙せる人もいるかもしれませんが、結局のところ味が良くなければ誰も満足はしないわけです。

「綺麗だけど味は全然だね」となるだけ。

土台のスポンジや味を整えていないのに、周りのデコレーションにばかり気を取られていてはダメなんですね。

でも多くの人はデコレーションをどうやって飾るかばかり考えてしまう。

本当に美味しいケーキ屋さんは、むしろ見えないところに気を配ります。

スポンジケーキに使う素材にこだわったり、全体を食べた時に得られる味の混ざり方を考えていたり。そうした味の基礎となる部分に力を入れているからこそ、そこにデコレーションをすることでさらに良いものを作り上げていきます。

会話力で言うなら、テクニックは周りのデコレーションのことです。

土台となる部分であるはずの、表情や動きやあいづち一つの言葉ができてもいないのに、飾り付けなんて本来できるはずもありません。

だったらまず土台をしっかり固める努力をしましょうよ、と。

例に出しているのは会話ですが、結局どんな物事も突き詰めるといつもここに終着します。

基本や土台ができていないものをいくら飾ったところで、それはハリボテにしかならないのです。

今自分たちが固めなければならない土台は何なのか。そしてそれは本当に最良のものにできているのか。

接客なんて特に、基本さえできていれば実はテクニックは要らないことの方が多いんです。

本当に選ばれている販売員ほど、テクニックを重視しません。逆に中途半端な人ほど、テクニックを欲しがろうとします。

これを忘れないようにしたいですよね。

今日の質問&トレーニングです

1)今身につけたいと思っている接客や販売に関する能力を『〇〇力』のように言い換えてみましょう。

2)その『〇〇力』の土台となる部分には、具体的にどのような要素がありますか?

3)その要素を完璧にできるようにするには、どんな練習や意識が必要ですか?

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ABOUTこの記事をかいた人

接客販売トレーニング&コンサルティング事務所kocori(ここり)代表。 SC接客マイスター1級。 アパレル・時計・靴・リラクゼーション業界など、様々な販売を経験し、売上日本一など数々の実績を残す。kocori設立後は、企業研修・コンサルティング、講演などを中心に活動している。