なぜ、好きなことを仕事にしても上手くいかない人が出てくるのか

こんにちは、坂本りゅういちです。

前回、プロカメラマンによる写真がうまくなる方法の話をしたのですが、もう一つ興味深い話があります。

「カメラ好きではなく写真好きになること」という話です。

いちいち説明しなくても意味は伝わるだろうと思いますが、言うなればこれは手段と目的の話に近いのではないでしょうか。

他にもいろんな動画を見ていたのですが、アマチュアで写真をやっている人が憧れのプロカメラマンと対談をしている動画もありました。

動画自体はとてもおもしろかったのですが、観察しているとアマチュアカメラマンはどんなカメラやソフトをどのように使っているのかをずっと質問しています。

しかしプロカメラマンの方はというと、アマチュアカメラマンに道具のことを聞いたりは一切していなくて、どんな写真を撮っているのかや、撮った写真がどうだという話ばかりをしているんですね。

僕もオタク気質なのでアマチュア側の気持ちがよくわかるのですが、道具にとらわれるオタクとそうではないプロの違いをまざまざと見せつけられたような感覚でした。

写真で言うならば、カメラは手段であり目的ではありません。

どれだけ高級で良いカメラを使おうと、撮った写真がイマイチならば何の意味もないわけです。(もちろんカメラ自体が目的の人もいますが、今はその話じゃないですよ)

でもこんな話って販売員でもありませんか?

たとえば、『洋服が大好き』という人がアパレル販売員をやっています。

これ自体はとても良いことだと思いますが、だからと言って洋服を売れるかというと実際にはそうでもないことは多いです。

なぜなら、(好きである)洋服そのものが目的になっていて、お客様に良い商品を買ってもらうことという販売員の本来の目的とはズレているから。

事実(これもあるあるなのですが)、自分の好きなブランドショップで働けていることで満足してしまって、店頭では何の役にも立っていない人が存在するのもこういう理屈です。

好きな服に囲まれていれば、それだけで十分になってしまうんですね。

本当に販売員として成功する人は、洋服が好きなことはもちろんですが、興味の対象が人(お客様)や接客になっていることが多いのです。

だから、目の前のお客様にとって良い接客とは何かを考えますし、いかにすれば商品が売れていくかをずっと考えている。

そのアウトプットが接客になっているので、必然的に売上になっています。

冒頭の話に置き換えてみれば、販売員にとっての写真(目的)は接客や売上で、カメラ(道具)は何だって良いのです。

少々極端な物言いをしてしまいましたが、商品が好きであることは大事なことです。

でもそこだけで完結してしまうと、その商品を元にして達成しなければならない本来の目的には届かなくなってしまいます。

好きという意味での興味は大事ですが、目的達成のために興味を持つべきことはもしかすると違うかもしれません。

これがズレていないかどうかは、日常的に確かめておく必要があるでしょう。

今日の質問&トレーニングです

1)自身の仕事において、達成すべき目標や目的と呼べるものはどんなことですか?

2)そのための手段であるものは何ですか?

3)達成のために、自分の興味の対象は何であるべきだと言えるでしょうか?

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ABOUTこの記事をかいた人

接客販売トレーニング&コンサルティング事務所kocori(ここり)代表。 SC接客マイスター1級。 アパレル・時計・靴・リラクゼーション業界など、様々な販売を経験し、売上日本一など数々の実績を残す。kocori設立後は、企業研修・コンサルティング、講演などを中心に活動している。