経験と教育
いきなり断言しちゃいますが、接客販売員が売れるようになる・成長するためには二種類の方法しかありません。
一つは経験を積む!
何度も接客を繰り返して、トライ&エラーを重ねる。接客を通していろんなお客様と触れ合う中で、自分に合った売り方やトークの仕方などを見つけていくことで販売員は成長していきます。当たり前ですが、これが一番基本となってきます。他の仕事だろうと同じですよね。
ただ、経験を積むためにはいくつかの課題もあります。
まず接客をする機会が無いことにはどうしようもありません。お客様の来店が少なかったりする場合には、なかなか接客の機会すら作れないこともあります。
そして何より時間がかかる…
いくら接客を重ねれば経験値が増えて成長していくとは言え、一日二日で成長するなんてことはありません。最低でも何か月、もしくは何年という単位で見ておかないといけないんです。新人販売員の頃なんて特にそうですよね?一日店頭に立って接客したくらいで「私は売れる接客の仕方を掴みました!」なんて言える人はいないはずです。もしいたら見てみたいです(笑)。
だから経験を積むためには、ある程度のお客様と時間が必要ってわけです。
もう一つの方法は教育です。
教育の最大のメリットは何といっても、時間がかからないこと!販売員教育を受ければ、他人の接客を見たり聞いたりして経験値を吸収することができます。最初から売れる人の方法論なんかを学べるわけです。それがその人に合うかどうかの問題はありますけど、少なくともそこにたどり着くまでにかかる時間は節約できます。「そんな発想なかった…」なんてこともありえますしね。
セミナー、研修、本なんかもこの部類に入ってきますけど、こういった教育はそれぞれに長所と短所があります。
セミナー、研修であれば売り方を知っている人の話しを聞いて感じることで自分になかった発想を得ることができます。場合によっては一気に成長することも見込めるはず!…なんですけど、いかんせん機会を作ることが難しいんですよね。そういった研修を会社がやってくれるならいいですが、自分で探して行こうとなるとシフトの関係もあってなかなかタイミングが合わないなんてこともあります。
本だったら自分で買って読めばいいだけですし、空いた時間を使って勉強することができます。でも、種類も著者も様々ですから「何を読めばいいかわからないよ~」となってしまう人もいるかもしれません。一冊に書いてあることもモノによってまちまちなので、量を読まないとなかなか参考にならないこともあります。
そんなわけで経験にしても教育にしても、それぞれ良いところ悪いところがあるので両方をちゃんとやっていくことが必要なんです。
接客ロールプレイングなら解決できる
ただ、一つだけ両方の良さを兼ね備えている方法があります。それが皆さんがよくやっているであろう、そしてあんまり好きではないであろう(笑)、”接客ロールプレイング”です。
接客ロープレが好きです!って言える読者の方はいますか?多分まずいないと思います。実は当ブログでもアンケートを取っていまして(接客ロールプレイングに関する意識調査)、これによると皆さんやっぱり好きではない様子。意味はあると思うのでやってみたいという方は多いのですが、進んでやりたいという方はまだまだ少ないんですね。
嫌いな理由はだいたいみんな同じです。特に
・本物のお客様じゃないのに意味があるとは思えない。どうせ演技じゃん。
・ダメ出しばっかりで嫌気がさした。あんなに言われるのがわかってるのにやる気なんて出ない。
・緊張するし人前でやりたくない。だって恥ずかしいじゃない。
この3つが最多の意見ですね。どこで誰に聞いても、必ずと言っていいほど嫌いな理由はこの3つが当てはまります。その気持ちはよくわかります。私もそう思うときがありますから。ただそれはあくまでもロープレのやり方を間違っている時の話しです。有効活用さえできれば接客ロープレほど成長への近道になるものは無いんですよ。
その理由は
・いつでもどこでもできるから試したいことがすぐに試せる!
・お客様で試すことがないので、ダメだった場合の売り逃しが防げる!
・振り返りができるから、成功と失敗がその場で判断できる!
・どんな教育よりも一番実際の接客に近いので、経験値も稼げる!
こんなに良いこと尽くめなのが接客ロールプレイングなんです。
嫌いな理由の原因は全て解決できる
でも、さっきの嫌いな理由。これが解決しないことにはどうしようもないですよね。だったら解決していきましょう。やる意味さえ理解できれば、接客ロープレに対する姿勢がきっと変わります。
それにだいたいロープレが嫌いになる理由は、間違ったロープレをやっているからです。だからちゃんとしたやり方も少し解説していきます。と同時に、良い部分にも目を向けてみてください。
・本物のお客様じゃないのに意味があるとは思えない。どうせ演技じゃん。
⇒実際のお客様じゃないからこそ、やる意味があるんです。それはきちんと振り返りができるから。実際のお客様に対して「私の接客のどこが良くてどこが悪かったですか?」なんて聞いても誰も答えてくれませんよね。それ以前に聞けません。
それに対してロープレなら相手はアドバイスをしてくれる貴重なお客様なんです。演技だから嫌いだという理由は単純に、真剣にやっていないだけの話し。お互いがきちんと意味を理解してやっていれば、演技だろうとちゃんと訓練になります。
あと本物のお客様を常に接客できる環境ならまだいいんですけど、一日の来店数が10組に満たないような店の場合どうでしょう?新人に経験を積ませるために全部任せてられますか?たぶん売上げガタ落ちですけどその勇気ありますか?それができなければ、接客ロープレで経験値を上げることも必要なはずです。
・ダメ出しばっかりで嫌気がさした。あんなに言われるのがわかってるのにやる気なんて出ない。
⇒これは本当にやり方の問題です。特に振り返りをする側。
接客ロープレはあくまでも、接客トークや仕草のトライとエラーをする場なので、完璧である必要はありません。長所を伸ばすことに集中するのが一番です。だから、振り返りをする人は良かったところ8割:良くなかったところ2割くらいで伝えてあげることが大事。別に褒めて伸ばすということではなくて、その販売員なりの良い接客を見つけることに集中することで解決できます。
ダメ出ししかないロープレはテンションは下がるわ、モチベーションも上がらないわで良いことありません。営業マンのロープレなんかだと特にこういう傾向になりがちなのでご注意!
・緊張するし人前でやりたくない。だって恥ずかしいじゃない。
⇒人前でやらなければいいだけです。マンツーマンか、一番いいのは販売員役・お客様役・振り返りをする役の3人が理想ですね。このくらいの人数でやればいいだけですし、3人で回せばみんな気持ちは同じです。そもそも店頭で接客をしていれば、みんなあなたの接客は見ているわけですから店内の1人や2人と練習をするのに恥ずかしがる必要もないわけです。
誤解のないように言っておくと、練習として店頭などで行なう接客ロールプレイングと、大人数の前で行なう接客ロールプレイングコンテストはまったくの別物です。目的も方法も違うものですから、そこを混同してやってしまうと意味合いも変わってきます。
あと、緊張で頭が真っ白になってしまって全部できないという方もいます。これもやり方の問題です。本当に一個ずつで良いので、区切ってやりましょう。入店の挨拶なら挨拶だけとか、お声かけならお声かけだけとか。まとめて接客の流れ全てをやろうとすると、結局やっている人も覚えてないので振り返りもずさんになります。これはちょっと意味が無くなるので、特に慣れるまでは少しずつやることを意識するといいですね。
ちょっと長くなっちゃいましたけど、接客ロールプレイングがどれだけ効率的で効果的かが少しは伝わったでしょうか?途中でも書きましたが、来店が少ないような店にとっては接客ロープレは救世主でもあります。ここでしっかりと売れる方法を身に付けられれば、実際のお客様を相手にして売り逃しをすることも減るんですから。
今日からぜひ接客ロールプレイングを活用して、もっと売れる販売員になってください!
⇒こちらも合わせてご覧ください”接客ロールプレイング”をやる意味は本当にあるのか!?実はロープレにはやり方があった!
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