声かけをしないならしないなりに努力しなければならないことがある

こんにちは、坂本りゅういちです。

ここ最近、新人販売員向けの記事を多めに書いてきておりました。

特にファーストアプローチ関連については、悩みやすいということもあってより記事もボリュームを増やしています。

しかし、昨今ではどれだけファーストアプローチ(声かけ)の話をしても、「声をかけられるのが嫌だから」という理由で声かけに行けない人が増えています。

行けないというよりも、行きたくない気持ちが強いと言った方が良いかもしれません。

自分が声をかけられるのが苦手な人って販売員には結構多いです。

その理由としては、販売員として声かけの意図を知っていることもあるでしょうし、ある程度店での買い方をわかっているので店員とのコミュニケーションの必要性を感じにくいということもあります。

そして販売員だけではなく、今はお客様もやっぱりそうです。

事前情報としていろんな情報が手に入る現代にあって、ほとんどのお客様が販売員の声かけを必要としていません。

こうした背景からことさら、昔以上に声かけへの抵抗感を感じる販売員が増えています。

まぁでもこれはすごくわかります。

僕も声かけを望まないことは多いですし、適切にやってくれれば良いですが、そうでないとむしろやらない方が良いのになぁと思うこともあります。

ただ、声かけに否定的な販売員に対してかなり強く思うこともあります。

声かけに否定的なことをとやかく言いたいわけではありません。否定的ならそれはそれで構わない。

でもそうなのであれば、声をかけられる努力は怠っちゃダメだよねと思うのです。

僕は以前からゼロアプローチという考え方をお伝えしています。

ファーストアプローチの前にとにかくお客様が近づいてきやすくする、そして自分も近づきやすくするという理論のことです。

*詳細は書籍をご覧ください
『買った後を想像させれば誰でもこんなに売れる!』

このゼロアプローチについては、コロナ以降実はさらに進化を遂げていて、『声をかけられやすくする』ところまで研修では言及しています。

自分から接客に行かなくても良いですが、お客様が困った時にはお客様から声をかけてもらいやすい状態を作りましょうと。

現代販売員には、これはことさら求められる能力だと考えます。

お客様は声をかけられたくないとはいえ、店の中で困った時には店員の助けが必要です。その時に「あの人と話すのは何か嫌だな」と思われているようでは、致命的なのです。

お客様の買い物体験も阻害しますし、場合によっては買うはずだったものを買えない(買いにくい)ということにもなりかねません。

これをわかっておらず、安易に声かけを否定するのは違うのです。

「お客様も嫌だろうから声をかけたくない」と言っている割に、いざお客様が店員に声をかけようと思ったら印象が悪かったり。また、反応が悪かったりすれば結局のところ店員としての役目は果たせません。

声をかけないならかけないで、別の切り口でお客様に気持ちよく買い物をしてもらえる手段を作らないといけないのに、それすらせずに「声をかけたくない」は、単なるわがままでしかないと思うんですね。だったらちゃんと声をかけてもらえる努力をしましょうよ、と。

そのために努力している人が世の中にはたくさんいます。

たとえばインフルエンサー販売員だってそうです。

日頃からSNSを駆使してファンを作り、お客様が来店して「声をかけて話したい」と思わせるほどの努力をしています。

SNSを使わないという販売員だって、店頭では常に印象よく、動き方や細かな所作にまで気を配って行動している人もいます。

そうした努力があって初めて、「声をかけない」という選択肢が良いものとなるわけです。

少なくとも印象よく店頭に立つことは、技術がまだ身についていない販売員でもベテラン販売員でも誰だってできます。

意識の問題なのですから。

やや話が大きくなってしまいましたが、声かけしない選択をするためには別の手段をちゃんと持つ努力をしないといけないという話でした。

今日の質問&トレーニングです

1)もしこれから声かけを一切しないと決めるとしたら、他にどのようにしてお客様との接点を生み出しますか?

2)その接点を生み出すためには、自分自身どんな努力が必要ですか?

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洋服・時計・靴・そしてストレッチトレーナーと、様々な販売現場で実績を出してきたノウハウを書き綴っています。

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ABOUTこの記事をかいた人

接客販売トレーニング&コンサルティング事務所kocori(ここり)代表。 SC接客マイスター1級。 アパレル・時計・靴・リラクゼーション業界など、様々な販売を経験し、売上日本一など数々の実績を残す。kocori設立後は、企業研修・コンサルティング、講演などを中心に活動している。