お客様のための場所での作業

sagyo

商品の上で作業をしている販売員

街中を歩いているといろんな店を目にします。気になったお店にはポンポン入ってみるのですが、入店してすぐに”気が利かない販売員”かどうかわかってしまうことがあります。

その理由は、『お客様のための場所で作業をしているかどうか』ということです。

一番わかりやすい例が、ショーケースの上での作業ですね。商品にもよりますが、だいたいの店ではショーケースなどの什器に商品が陳列されています。宝飾店などは全ての商品がショーケースの中に収められていることがほとんどです。

気の利かない販売員はそんなショーケースの上で作業をしていたりします。何か日報を書いていたり、パソコンを開いてカタカタやっていたりするのですが、そのおかげで商品を見たくても見れなかったりするのです。お客様が見たそうにしていることに気づいて位置を変えるならまだしも、目の前にお客様がいるのにそのまま作業をし続ける販売員もいたりします。「いや、なんのために仕事してるの?」と思わず言ってしまいそうになりますよね。

基本的にお客様のために作られている場所で作業をすることはNGです。なぜならそこは販売員が作業をするための場所ではないから。当然ですよね。作業をしているせいでショーケースの商品が見えない、試着をしたいのに試着室にダンボールが積まれていて使うことができない、お会計をしてもらいたいのにレジで作業をしていて商品が置けない。こんな聞いただけではにわかに信じがたいようなことは、そこら中で起こっています。

店内が狭くてスペースの関係上どうしてもそうせざるをえない、という場合も中にはあるでしょう。しかしそれならば、お客様が入店してきたときにどう行動すべきかは理解しておく必要があります。すぐに片づけてお客様に商品を見てもらえるようにするのが基本です。

「いや、でも日報を書かないといけないから」「この作業をしないと仕事が終わらないから」という気持ちはわかります。しかし店を開けている以上は常にお客様を迎える用意をしていなければいけません。飲食店に行って、「作業が終わるまで注文できませんのでお待ちください」と言われて誰がそんな店に行くでしょうか。売上げが上がらなければ店は存続できず、その売上げはお客様が商品を買ってくれるから成り立っているわけです。その当たり前のことすら忘れてしまっているようでは、とうてい売れる販売員になることなどできません。

その場所が誰のための場所なのかをよく考えて作業を行うようにしたいですね。


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ABOUTこの記事をかいた人

接客販売トレーニング&コンサルティング事務所kocori(ここり)代表。 SC接客マイスター1級。 アパレル・時計・靴・リラクゼーション業界など、様々な販売を経験し、売上日本一など数々の実績を残す。kocori設立後は、企業研修・コンサルティング、講演などを中心に活動している。