
プレイバック『目指せ!販売の達人 ~販売力向上講座~』
坂本りゅういちが毎日発行しているメールマガジン『目指せ!販売の達人 ~販売力向上講座~』。今回は過去の配信の中から、反響の多かった内容についてご紹介していきたいと思います。
【第340回】動きだしは販売員から
以前放送されたガイアの夜明けという番組で訪日外国人への接客についての話しがありました。
・テレビ東京 ガイアの夜明け
「”お国柄”に商機あり! 〜訪日外国人の新たな攻略法〜」
⇒http://goo.gl/rKAcqy
百貨店販売員が外国人客に対してどんな接客をしているか調査をして、実態を把握・改善していくといった趣旨です。
言葉もわからずなかなか声をかけきれない販売員の姿が映し出されていましたが、テレビの中だけでなく実際の現場でも訪日外国人に対して無言で後ろをついていくだけの販売員がほとんどです。
日本の接客販売員は『お客様が嫌がらないようにする』ことに対してすごく敏感です。
話しかける前の段階で、どんな入り方をすればお客様に嫌な思いをさせずに話せるかを無意識の内に考えています。相手の雰囲気を見て、お声がけを変えるのもそういった影響からです。
これ自体はすごく良いことなんです。お客様に気持ちよく買い物をしてもらうのが、接客販売員の役目なのですから。ただ、その気づかいが外国人客という言葉がわからない相手に対して何もできなくなる現象を引き起こします。
「言葉がわからないのに質問されても対応できない」「話しかけてもどうせ伝わらない」こんなことが無意識に頭に浮かんでしまい接客ができなくなるのです。
実はこれは相手が日本人客でも同じことが起きます。
明らかに普段の客層と違うお客様が来店された際にどうしていいかわからず接客できなくなるときです。簡単な例を出すと、女性用の下着売り場に男性客が一人でやってきたときなんかがそうですね。何となく想像できますか?
こういった場合に意識しておくべきことが一つあります。まず声をかけることです。内容は何でもかまいません。
「御用がございましたらお声掛けくださいね」程度のことでもいいのです。お客様に対してはじめの一歩を踏み出せるかどうかでその後の接客は全く変わります。
何も話しかけずにずっと見ているだけでは、お客様も商品を見づらくてしょうがない。販売員側も、声をかけるタイミングを失ってどんどん話しかけにくくなってしまいます。コミュニケーションが取れないことは接客において致命傷ですが、何も会話をせずコミュニケーションを取ることは不可能に近いのです。
お客様が何かを聞いてきてくれるのを待っていてもどうしようもありません。それはお客様に負担を強いているのと同じです。まず動き出すのは販売員からだということを念頭に置いて接客に努めてください。
今は都市圏に限らず、地方でも外国人観光客が増えています。そういった方々に対して何もできなくなってしまう販売員はまだまだたくさんいると思います。
英語が話せない、中国語で何を言っているかわからない、そういった言葉の壁があることで気持ちが萎えてしまうのもわかります。ですが、相手も同じ状況です。まず第一歩を販売員から踏み出してあげることがサービスの始まりなのではないでしょうか。
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