
こんにちは、kocori代表坂本りゅういちです。
6月に入り、各商業施設では接客ロールプレイングコンテストの準備が行なわれています。
早いところではすでに予選会などを実施しているところもありますが、例年夏〜秋にかけて各地区等での大会が行なわれるため、だいたいこの時期に活況を呈してきますね。
筆者はロープレコンテストの審査員や全体の進行を含めたコンサルティングを行なっているため、これからの時期はコンテストのことを考える時間も多くなります。
さて、そんな折ですが、今回は自社で接客ロープレコンテストを検討している・もしくは開催を控えているというご担当者の方に向けた記事です。
ご存知の通り、ロープレコンテストは、ただやれば良いというものではありません。
当ブログでも、ロープレ関連での検索から辿り着いていただく方が非常に多いのですが、その検索ワードを精査してみると、
『ロープレ 怖い』
『ロープレ やりたくない』
『ロープレ 意味ない』
といったネガティブな検索ワードが多数あります。
今は審査員をしているとはいえ、筆者自身もコンテストに出場してきた経験があり、これらの検索ワードのような気持ちになるであろうことは重々理解できます。
出場する側からすると、ロープレコンテストは恐ろしいものであり、必要性があるのかどうかがわからないものなのです。
ロープレコンテストをやるなら
コンテストの企画担当者の方には、そうした出場者側の気持ちを理解しておいてもらいたいと思います。
と同時に、コンテスト企画の際には絶対に外してはいけないポイントがあります。これを必ず押さえた上で、コンテストは企画しなければなりません。
そのポイントとは、『何を測るコンテストか』です。
実際のところ、ロープレコンテストはこの日本の至る所で行なわれています。
代表的な日本ショッピングセンター(SC)協会大会やイオン大会。三井大会やサイモン大会なども有名ですし、今はスタッフオブザイヤーなども行なわれていますよね。
これら以外にも各商業施設での大会や、企業ごとの大会などもあります。
そうしたコンテストには審査票なるものがあり、この審査票(審査基準)に基づいてコンテストが行なわれています。
つまり、審査基準に対して出場者がどんな接客をするかを審査するわけです。
この審査基準が、スタッフの能力を測るベースということになります。
商業施設単位であれば、いろんな企業(ショップ)が参加してきますから、審査基準はある程度曖昧なものになるのは致し方ありません。
一方で企業単位で開催する場合のコンテストは、『その企業が求める人材(能力)』を見つけ出す・測るコンテストとすることができます。これは、企業で行なうコンテストの最大のメリットとも言えるものです。
裏を返せば、これが整っておらず、「とりあえず他の大会で使っている審査基準に倣って」みたいなことをやっていると、まるで意味の無い大会になりかねません。
たとえば、若年層のお客様がターゲットで、そのお客様たちもフランクな対応を求めているようなショップだった場合。
この店で接客マナー(言葉遣いや所作など)を測っても、店舗で役に立つかと言われるとそうではないことがほとんどでしょう。もちろん、「そうしたことも身につけておいてほしい」という意図があるのであればその限りではありませんが、意図がないのであれば不必要なことです。
それならば、フランクなお客様対応がいかに自然にできるか?や、若年のお客様とでもすぐに仲良くなれるようなコミュニケーション能力を持っているかどうかを測る方が自然です。
企業によっては、ブランドがいくつも分かれている場合があります。
このブランドごとの求める接客(販売員像)も、おそらくは違うのではないでしょうか?
全体を一緒くたにしてコンテストをやる場合は、ある程度の幅を持たせた基準で測ることが必要になりますし、ブランドごとでやるのであれば、そのブランドに合わせた基準で測る必要があります。
ごくごく当たり前の話なのですが、意外とこの部分が抜けたままコンテスト企画が進んでしまっていることは少なくないのです。
それでは出場者にとっても会社にとっても、意味の薄いコンテストになってしまいます。結果として、「やらない方が良かった」ということにもなりかねません。
何を測りたいかは、接客ロールプレイングコンテストにおける肝です。
まずはこれがきちんと言語化できる状態を整えてから、コンテスト企画を進めてください。
具体的にどのようなことをすれば良いのかわからないという方は、ぜひkocori(info@kocori.com)までご相談ください。