初めてと二回目以降ではお客様の扱いを変えようとよく言われる
接客をしていると常に新規のお客様ばかりではありませんよね。最初の接客や商品を気に入ってくれれば二回目以降のご来店がのぞめます。
そんな時、初めての接客と同じように声をかけていませんか?
一回接客したことのあるお客様に対して前回と同じように「いらっしゃいませ」だけで済ませているとしたら、これはまずいです。なぜなら、お客様はあなたのことを覚えているから。
一日に何人も接客する販売員からすれば、お客様は多数の中の一人かもしれません。ですが、お客様から見れば一対一の関係なのです。よほどのことが無い限りは「この人、前回も接客してくれた人だ」と気づいています。お客様によっては、接客がすごく気に入ったからまた接客されたいと思って来てくれている可能性もあります。
そこであなたがお客様のことを覚えていなかったらどうでしょう。「あ、覚えてないんだ」「あんなに盛り上がったのに忘れられてる…」とすごく悲しくなってしまいますよね。
なので二回目以降のご来店の時は、お客様の扱いを変えることが必要なのです。
デキる販売員はちょっと違う
と、今書いたようなことはよく聞きますよね。どこの店に行っても同じようなことを言われていると思います。ただ、これを勘違いしてしまうとお客様は三回目の来店をしてくれなくなるんです。
どういうことでしょう?
販売員が二回目の来店に気づいた時のことを想像してください。
『あ!あのお客様は前回接客した人だ!』と気づいた販売員。タタッとそのお客様に駆け寄って、「こんにちは!先日はありがとうございました!あの商品気に入ってもらえましたか?」と話しかけます。その後も一回目の時以上に接客をして今回もお買い上げに繋がりました。
お客様は確かに商品を気に入ってくれていて再来店をしてくれているのですから、間違ってはいませんよね。でもそれ以降の来店はありませんでした。なぜだと思いますか?
答えは簡単なことで、一気に距離を縮め過ぎたのです。
お客様は覚えてもらっていることに対しては喜びを感じたかもしれません。でも、それは必ず人によるんですね。ものすごくきつい言い方をすると、その商品を気に入っていたから再来店してくれたものの、あなたのことは気に入っていなかったかもしれません。こんな可能性だってあるんです。
だから実は、再来店時の接客は慎重さが求められます。
デキる販売員はちゃんとそのあたりがわかっていますよね。同様に一回目の時と同じ接客はしません。ちゃんとお客様のことは覚えているので声のかけ方も違います。でも、違うのはここから。いきなり距離を縮めにはいかないのです。ちゃんとお客様の様子を伺ってから話の内容を変えて対応していきます。
もし、お客様が自分の接客に対して好意的なら積極的に話しかけます。でももし、そうではなさそうとかちょっと様子がイマイチだなと感じたら少し距離を空けるのです。そこで少しずつ距離を縮められるような接客をすることにすぐにシフトします。もちろん、ちゃんとお客様が声をかけやすい雰囲気も作った上での話しですよ。
この距離感がデキる販売員は絶妙なんですね。
よくわかっていない販売員ほど、二回目の来店ですぐに『自分の接客がよかったからだ!』と過信してグイグイ行き過ぎてしまいます。あなたを目がけてきたのならばそれでOKですけど、そうでなければまだわかりませんからね。
初回と二回目以降で接客を変えるのは必要です。お客様もそれで心の壁が無くなったり、来店しやすくなったりします。でも、だからと言っていきなりゼロ距離で接客していいかと言うとそれは別問題。きちんとお客様の様子を見て、行くか行かないかを判断できる冷静さを持ってお迎えしてください。