TheFLAG ISSUE【アパレル販売員の教育制度を見直そう】

ISSUE【アパレル販売員の教育制度を見直そう】 入社したら、右も左もわからないがとりあえず店頭に出て接客。とくにアルバイトで販売を経験したことのある人ならわかる光景ではないでしょうか。 そもそもアパレル界では、勉強をしてからやっ…

Posted by The FLAG on 2015年10月2日

将来性を感じられない現実

販売業として働いてきた私からすると、これまで教育と呼べる教育は皆無と言っても過言ではないくらい杜撰なものでした。これは地方の小さな小売店でも、都心の百貨店でも大差ありません。

店舗に立つ前に簡単な用語の解説、声掛け・お畳み・清掃のやり方などを簡単に教えてそれでおしまい。あとは実際のお客様を相手にしてOJTです。プロフェッショナルと呼ばれるレベルの販売員になるまではほとんどの場合でお客様は練習台にされています。当然、そのレベルの販売員に接客をされたお客様は不快な思いをする可能性も高く、みすみす顧客を逃がしてしまっていることに気づいていない企業も多々存在しています。教育に対する認識の甘さ、また教育体制そのものが整っていないことが要因でしょう。

なぜそんな状況になっているかと考えると、結局は『販売員の地位の低さ』が原因だと考えます。

会社が販売員教育に資金と時間をつぎ込んでも、ようやく育ったところで退職されてしまう。そうなるとそこまでの労力が徒労に終わってしまいます。

販売員側も、どれだけ教育を受けたり勉強をして成長しようとしても世間的な評価・会社からの評価は上がらない。10年以上働いている販売員でもせいぜい年収400~500万円を超えれば良いほうという報酬しかもらえない現実にうんざりしてしまうのも無理はない話です。将来性を感じられないのです。

今後販売員の教育制度が生まれたとしても現状のままではレベルを上げることは難しいでしょう。もっと問題は根深いところにあります。

これだけネットショップが力をつけてきている現代では、レベルの低い販売員の店舗は必ず淘汰されていきます。しかし、お客様も人間である以上は、販売員との対話を通して買い物をする行為が無くならないのも事実です。ですから企業が自社で売上を作っていくためには、素晴らしいおもてなしのできる店舗、ネットショップ、またはその両方を持つしか存続の道はありません。

企業がこれからも販売員を雇って売上の増加を狙うのであれば、トップレベルと呼ばれるような販売員への対価報酬のアップ、販売員として力をつけることでバイヤー・マネージャーになれる道を明確に用意するなど、多方面から将来性と魅力を感じられる職業にしていく必要があります。その上で教育を施すことで、退職率を下げ、販売員自らがモチベーションを持って仕事をすることができます。

抜本的な評価制度の改革も視野に

そのためには資金が必要ですが、正直もっと競争を作るシステムにしても良いと思っています。売れる販売員になれば給料はグングン上がるし、売れなければ全く変わらない。単純に販売金額だけでなく、情報発信や販売に関する業務など様々な面からの評価制度が必要になりますが、いわゆる歩合制に近いシステムにすることでふるいにかけることもできますし、やる気のない販売員に無駄な給料を払う必要もなくなります。

もしくは現在のような派遣業などではなく、販売のプロフェッショナルを育てる教育機関が出てくることも一つの方法です。これには難題も多いかもしれませんが、その教育機関に任せればレベルの高い販売員として店舗に立たせることができるようになれば企業の教育負担も軽減されます。現在多くの会社などで販売員研修と呼ばれているものには、実践的なものがほとんどありません。マナーなどの研修は当然必要なのですがもっとお客様を接客することに対しての具体的な実戦形式の教育が必要なはずです。これは私自身が将来賛同者を募って作り上げたいと思っているものでもあります。

いずれにしても、企業の考え方の変化と向上心のある販売員が増えてくれることを望みます。