【ハマる瞬間があるか、ないかだ】接客の楽しさを知らない人たちへ

puzzele

自分の経験を思い返すと

接客販売業という仕事は大変な仕事だ。

辛いことも沢山あるし、仕事で悩んでいる人も今まで沢山見てきた。その気持ちはすごくよくわかる。実際に僕もこの仕事を始めて10年以上が経つが今でも辛いことは多い。

今回の話は接客販売で悩む人に向けたある種のメッセージだと思ってもらいたい。

先に言っておくと、今回の話は長い。長いしいつものブログの感じとも少し違う雰囲気になる。

だけど、僕が接客販売業をはじめて約10年。なんでこんなに大変な仕事を今までやってこれたのか、なんでこんなにこの仕事が好きなのかを伝えておきたいと思ったから書く。少しでも参考になれば嬉しい。

 

 

以前、【接客販売員におすすめする】今だから読んでおきたいビジネス書を紹介【20選+番外編】でも紹介した本(と言うかマンガ)で「ハイキュー」というバレーボールマンガがある。

ハイキュー!! 1 (ジャンプコミックス)

 

このマンガに登場する脇役で今時の男の子全開なキャラがいる。”月島”という名前のキャラ。

身長は高いし頭も良くて、およそバレーボールに必要な要素を生まれ持っているのにいつもどこか冷めた雰囲気。周りの皆が朝練だ、自主練だとやっている横で決まった時間通りに練習をこなして帰っていく。無難にそつなく何でもやれるけど、面倒なこと・カッコ悪いと思うことは絶対にやらない主義の子。

その月島がいつも金魚のフンばりにくっついてきていた幼馴染の男の子に「今のツッキーはカッコ悪いよ!」と説教されるシーンがある。皆が懸命に努力している中、できるはずの月島が冷めていることに対しての話だ。

月島はいつも連れ添っていた友達に言われたことに対して、驚き、そして心を入れ替えようとするが「納得はいかない」と一緒に練習していた他校の先輩に話を聞きに行く。

「どれだけ頑張っても上には上がいて、必ずどこかで負ける日が来る。頑張っても将来の役に立つかどうかもわからない、たかが部活なのになぜそこまで頑張れるんですか?」と。

その時先輩が答えたのが「ハマる瞬間があるかどうかだ」という言葉。

先輩は自分が以前に全くスパイクを決められず負けた相手に、めちゃくちゃ練習をして次の試合で思いっきりスパイクを決めることができた時にバレーボールの楽しさを知ったと言う。そこでバレーにハマったと。そんな瞬間があるかどうか。

月島はその言葉を聞いてから少し変わった。

 

このシーンを読んでいて、僕は「自分がハマった瞬間っていつだろう」と思った。

長年なんとなく接客業をやってきていたが、今は人と接することができるこの仕事が好きだ。そのきっかけになったことがどこかに必ずあるんじゃないかと感じた。

しばらく考えて思い返してみると、接客販売を始めて数か月経った頃のことがよみがえってきた。

 

当時僕はアパレル販売のアルバイト店員でメンズを担当していた。接客という仕事にも慣れておらず毎日が四苦八苦の日々。仕事は辛いし、覚えることは多いし、それでもお客様を毎日接客しなければいけないしで本当にしんどかった。

そんな時に、夏のセールが始まりさらに忙しいことに。福岡県にあった2階建ての大型店舗で、洋服以外にも雑貨や小物まで30近いブランド(全て同じ会社内のブランド)を扱っていた店舗だったために、来客も多い。一日で接客するお客様の数は10人や20人どころではなく、3桁に近い日もあった。

 

そんな時に、あるご夫婦を接客する機会があった。

そのご夫婦はセールでいつも買い込む方らしく、旦那様の洋服を選び、その後奥様の洋服、そして雑貨や他の商品なども全て選ぶ。お客様に最初に接客をした僕が気に入ってくれたらしく、「回るのに付き合ってほしい」と言われ僕はよく知らない他のブランドの商品選びまでずっとお手伝いしていた。

自分の持ち場を離れ、約3~4時間そのお客様に付きっきり。最終的にお客様はレジの近くで選んだ商品を選別しはじめ、買うものと買わないものにわけていくところまでお手伝いしていた。持ち場の同僚には事情を伝えていたが、それだけの時間売り場を離れていたわけだからすごい迷惑をかけたと思う。

実際にお会計を済ませるとセールで単価の低い商品もあったために大した金額でもなかった。個人売りのノルマもあったし、同僚にも迷惑をかけたからそれは少し残念だったけど、お客様はすごく喜んでくれて何度もお礼を言って帰っていかれた。

 

翌日、いつも通り出勤して朝礼に出ていると話をしていた店長から突然名指しで呼ばれた。

「昨日、メンズ担当の坂本くんがお客様に付き添って店内を回って接客をしていました。最終的に○○点(確か39点だったと思う)のお買い上げをいただきました。」と紹介されたのだ。

全然知らなかったのだが、これまで長年店をやってきた中で一客でお買い上げいただいた商品点数の記録を塗り替えていたらしい。それも接客販売歴3・4か月の新人が、だ。

200人からいる従業員の前で突然紹介された僕は驚き、どうしていいかもわからなかったのだが、何となく認められたことだけはわかった。周りからもものすごく褒められたし、しまいにはその時の夏のセールでMVPまで獲得することになった。

 

この時に僕は接客販売の楽しさを知ったと思う。

右も左もわからない中でも、お客様の要望に答えて自分なりに行動した結果が周りに認められた時。お客様にも喜んでもらえて会社からも褒められたあの時。何かが弾ける瞬間。

多分僕が接客業に「ハマった瞬間」なのだ。

 

それからも沢山いろんなことがあって、お客様と一緒に笑ったり、時にはお客様と一緒に泣いたりしたこともあった。そんな経験ができたのも、接客にいつの間にかハマっていたからだと思う。

 

信じてがむしゃらに動くしかない

人が何かにハマる瞬間というのはそれぞれ違う。

僕みたいに誰かに認めてもらえた時という人もいれば、自分で納得できる結果が出せた時や、純粋に楽しいと思う瞬間に出会えた時だという人もいるはず。

だけど、その瞬間があるかないかで自分の姿勢や意識は大きく変わる。

まだその瞬間を迎えていない人でも必ずいつかその日はやってくる。だけどそれには、懸命に取り組んで頑張ることが大切だ。それが無くてただダラダラと毎日を過ごしていてもその瞬間は訪れない。

 

接客や仕事に悩んでいる人はとにかく考えて考えて行動をすることを繰り返してほしい。がむしゃらにやることがカッコ悪く思えることもあるかもしれないが、そんなことは絶対無い。それがカッコ悪いと言っているやつは、何かにハマる瞬間を経験していない凡人だ。

一生を生きる中でこんなに良い経験をしないなんてもったいないとしか言いようがない。今の自分とこれからの自分を信じて、今日を闘ってほしい。