【マネージャー向け】自社で接客ロールプレイングを根付かせるためには

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従業員のレベルアップに最適な”接客ロールプレイング”

従業員の接客レベルを上げようと思って研修や勉強会を行ってもなかなか成果が出ずに悩んでいるマネージャーは沢山います。そういう場合、大抵は接客に関する知識を身につけさせることに目がいってしまっていて、肝心なことが置き去りになっています。

それは接客も技術の一つだということ。

よく考えてみてください。スポーツでも何でもそうですが、実力をつけるためには実際にそれを何度もやって鍛錬を重ねる必要がありますよね。プロ野球選手なら打撃や守備の練習を重ねて、実際に試合を繰り返すことでうまくなっていく。職人と呼ばれるような人たち、例えば陶芸家だって使う材料や焼き方の技術を身につけながらも、実際に何度も焼き物を作ることを繰り返してうまくなっていくわけです。

接客も同じなんです。

商品知識やマナーなど知識として身につけることはもちろん大事ですが、実際にそれを実践しなければお客様との意思疎通はうまくなってはいきません。色んなお客様とコミュニケーションをきちんと取るためには、同じように色んなパターンの相手とコミュニケーションを取る練習をしていかなければレベルは上がっていかないんです。実践の中でしか学べないことは沢山あります。何度も何度も練習を繰り返して鍛錬することで接客もうまくなっていきます。

ですが、その練習を実際のお客様相手にやっているのがほとんどの接客販売業の実状です。

「とにかく多くのお客様を接客して経験を積め」というのは一理ありますが、それはお客様が来店してくれた時に限られます。何よりお客様を練習台にしていては失礼な上に、顧客を逃すことにもなりかねない。そんなにもったいない話は無いですよね。

だからこそ、”ロールプレイング”が役に立ちます。

実際のお客様を想定して練習をすることで、その時々の問題点を見つけて解消していける。これはお客様を接客している中ではなかなかできません。接客を途中で止めるわけにはいきませんから。こんなに良いトレーニングツールを使わない手はありません。

 

ロールプレイングをやりたくない販売員

こういった接客ロールプレイングをやることが大事だと頭ではわかっている人は多いのですが、実際に販売員にやってもらおうとしてもなかなかうまくいかないという場合がほとんどです。その理由は簡単で、販売員がロールプレイングをやりたくないから。ですが、現実的にうまく使いこなせれば一番効率よく簡単にレベルアップができるのですから何とか社内で根付かせたいところです。

では、まずやりたくない理由が何なのかを考えてみます。するとほとんどが

・意味を見いだせない

・(人前だったり、相手が同業者なので)恥ずかしい、やりにくい

という2つの理由に絞られます。

この2つのやりたくない理由を解消すれば、社内や職場でロールプレイングを根付かせることができるのです。

 

『意味を見いだせない』と思っている人たちはかなり多くいます。特に接客販売経験が長い人ほどそう思ってしまう傾向にあるようです。「相手が本当のお客様ではないのに何の意味があるんだ」ということですね。

ですが、それは目的を理解していないことが原因です。

ロールプレイングの目的はあくまでも接客技術を身につけるための練習です。数多くのパターンのお客様を想定して、このお客様ならこんなコミュニケーションを取る、このお客様にはこんな商品提案をしてみる、ということを繰り返して実際の接客に活かせるようにしていくことが必要になってきます。また、ある程度経験を積んだ販売員でも新しい商品が出た時にどんな提案をしていくか、今まで以上にお客様を増やすためにどんな接客スタイルを身につけていけば良いかなど、いくらでも学ぶことはあります。

ここが明確でなく、何のためにやっているかわからないと『意味を見いだせない』という状況になってしまうんです。

 

『恥ずかしい、やりにくい』という場合。お客様役が同僚だったりするので、自分の接客を知られるとどう思われるかわからないという不安を感じる人もいます。他にもロールプレイングは数人(多ければ数十人)の前でやることもあるので緊張するという人もいるでしょう。

これは”慣れればいい”と言ってしまえばそれまでなのですが、人前が苦手な人などはそうもいきませんよね。これにはコツがあります。

最初は二人で始めればいいのです。本来ロールプレイングは販売員役、お客様役に加えて全体を見る観察者役の三人が必要です。販売員役とお客様役だけではやっている最中に気になったことを覚えておけなかったりしますし、当事者だとわからないこともあるので観察者が必要になります。

ですが、こういう場合はまずロールプレイングそのものに慣れてもらうことが先決。二人でやることで実際の内容はひとまず置いておいても、ロールプレイングをやるという行動そのものに慣れてもらえればOKです。そこで少しずつ慣れてきたらもう観察者を増やして実践していけばいいのです。

 

もちろんここに書いたことだけでは完全とは言えませんが、ある程度までは練習をする文化を作ることは可能です。販売員でも人によって感じ方や考え方が違いますからまとめて一気にやろうと思ってもなかなかうまくはいきません。一人ずつの個性をしっかり見極めて徐々に根付かせていくことが大切です。

ちなみに本当にやろうと思えば社内全体を一気にロールプレイングで練習するという雰囲気にすることもできますが、それには相応の労力とお金もかかるので今回はあえて触れずにおきます。

是非ご参考にしていただければ。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

接客販売トレーニング&コンサルティング事務所kocori(ここり)代表。 SC接客マイスター1級。 アパレル・時計・靴・リラクゼーション業界など、様々な販売を経験し、売上日本一など数々の実績を残す。kocori設立後は、企業研修・コンサルティング、講演などを中心に活動している。