【実践】商品の良さを知ることが売上げ向上につながる

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あなたが売っている商品のことを知っていますか?

販売員は商品をお客様に紹介して販売していきます。言ってしまえば、商品を作り出す作り手お客様との架け橋です。

しかし、そんな販売員が商品のことを知らないという現実が実は意外と多く起こっています。「この商品はこっちの商品と比べて何が違うんですか?」と尋ねても、「え~と…」と言葉に詰まってしまう。「こんな商品ありますか?」と聞いても「いや、うちには無いですね」と言われて諦めると、奥の棚に置いてある。店頭では本当にこんなことが起きています。

こんな状態では売上げを上げることなんてできっこありませんよね。まずは自分の売っている商品のことをよく知ることから始めましょう!

さて、”商品を知る”と一言で書きましたが、何もこれは扱っている商品を頭に入れておくというだけの話しではありません。商品を知るという意味は、

・商品の特徴を知る

・商品の良いところを知る

・商品の良くないところを知る

という意味です。この3つをしっかりと把握しておかない限り、商品のことを知っている・理解しているとは言えません。これから、あなたが扱っている・販売している商品のことをよく知ってもらうために意識しておきたいことを挙げていきます。せっかくなので、ノートか何かに書き出しながら読み進めてみてください。

まずは何でもいいので、あなたが扱っている商品を一つ思い浮かべるところから始めてみましょう。

商品の特徴を知る

思い浮かべてメモしましたか?それでは始めていきましょう。まずその『商品の特徴を知る』ところからスタートです。

商品の特徴とは、名前や見た目などの情報です。洋服ならば、どんなアイテムでどんなデザインなのか、色や形状、素材などが当てはまります。価格もそうですね。まずはそれぞれの特徴を書き出してみてください。

特徴を書き出すことができたら、他の商品や他社の商品との違いを考えてみましょう。

同じようなアイテムでも、必ずどこかに特有の特徴があります。同じボーダー柄でも、線の太さやパターンの入れ方などが変わってきますよね。その商品が持つ特有の特徴を理解しておくことで、お客様に対してアピールがしやすくなります。ここをしっかり把握できるようにしましょう。

コツは小さなことでもとりあえず書いてみること。ちょっとだけ袖が短いような気がするとかそんな程度のことでも構いません。なんだか例えが洋服に寄ってきましたが、本当に何でもいいんです。ケーキが商品なのであれば、生クリームの絞り方が違うとかそんなことでもOK。とにかく違いを把握することを意識してください

商品の良いところを知る

では次にうつります。

商品の特徴を知ることはできましたか?まずこれができていないとお話しにならないので、しっかり取り組んでみてくださいね。続いては『商品の良いところを知る』段階です。

さきほど書き出してもらった商品の特徴の中で、あなたなりに”良い”と思えるポイントに丸を付けていってください。

他の商品と比べて価格が安いのが良いなら丸を付ける。味が良いと思うなら丸を付ける。デザインが良いと思うなら丸を付ける。全部良いと思うなら全部に丸を付けてもらっても全然かまいません。

『商品の良いところ』は人によって変わりますよね。デザインが好き、味が好き、価格が安い方が好き、と人によって価値を感じる部分がそれぞれ違います。ぶっちゃけた話しが、どのポイントがそのお客様にとって良いポイントになるかはわからないのです。でも、自分が良いと思っているポイントがはっきりと把握できていれば自信を持ってお客様にお伝えすることができます。それができるのとできないのとでは、お客様に対する説得力が全く変わってきます。

自分なりでいいので、商品の良いポイントをしっかり知っておいてください。

商品の良くないところを知る

ここまでは大丈夫ですか?いよいよ最後です。『商品の良くないところを知る』段階です。

良くないところと言うとあまり聞こえがよろしくないですが、言いかえればデメリットのことですね。実はさっきまでやってもらっていた、商品の特徴や良いところというのは結構みんなわかっています。(わかっていない人も多いですけど…)

ですが、この良くないところ(デメリット)をちゃんと理解してお客様に伝えられる人は少ないんです。なぜ少ないのか。これは理由が簡単です。デメリットをお客様が知ると買ってくれなくなると思っているからです。お客様に商品の悪いところを知られたくない、だからデメリットには目をつぶってしまうんです。

でも、これはいけません。お客様はお金を使うからには、本当のことを知って納得したうえでお金を使いたいと常に思っています。買った後に後悔なんてしたくないんです。だから嘘ではなく、本当のことを教えてくれる販売員を信用します。商品のデメリットがちゃんとあることを教えてくれた上で、それでもオススメする理由がある商品だとわかればお客様は納得してくれます。

そうするためには、商品の良くないところ、デメリットをきちんと知ることが必要です。

前置きが長くなりました。

さっき良いところだと思うものに丸を付けてもらいましたよね?では、ここからが本題です。

丸を付けたものに対してのデメリットを書いていってください。また洋服で例えると、素材がすごく良いという良いポイントがあったとします。だとしたら、その分取り扱いに注意が必要になるとか、価格が上がってしまうといったデメリットが生まれているはずです。逆に価格が安いなら、その分型落ちの商品だったり素材や人件費を削っているはずです。

こういったデメリットを一つずつ書いてみてください。これが結構難しいのですが、やってみると大体パターンがあることにも気づけるはずです。

全部書けましたか?

お疲れ様でした。ひとまずこれで、商品のことを知る実践は終了です。今までやった3つのポイントを書き出すことで、その商品についてより深く知識を付けることができたはずです。あとは今回やったことを、他の商品でも試してみることが大事です。

繰り返しやっていくことで段々と、書き出さなくても商品のことがわかるようになってきます。常に書き出し続けられるならその方が頭に残るのでよりいいですけどね。実際、パッと書き出しただけですがこれだけでも売上げが変わる人はいます。それくらい、意外と商品のことを知らないということが多いんです。

この後は商品それぞれのポイントをいかにお客様に伝えられるかどうかです。それについてはまた別の機会にしますが、まずは今回の商品のことをよく知るということを常に意識して店内の商品を見てあげてください。そこからすでに販売の仕事は始まっています。


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ABOUTこの記事をかいた人

接客販売トレーニング&コンサルティング事務所kocori(ここり)代表。 SC接客マイスター1級。 アパレル・時計・靴・リラクゼーション業界など、様々な販売を経験し、売上日本一など数々の実績を残す。kocori設立後は、企業研修・コンサルティング、講演などを中心に活動している。